大分のニュース

太平洋セメント佐伯プラント 生産を中止

[2010年05月22日 10:10]

業務を終え帰宅する従業員ら=21日午後5時10分ごろ、太平洋セメント大分工場佐伯プラント

 セメントの需要激減に伴う生産体制の見直しにより、太平洋セメント大分工場佐伯プラント(佐伯市)が21日、セメント生産を中止。大正時代から続く84年の歴史に幕を閉じた。協力会社が10社を超えるなど地域との結び付きの強い企業だけに、今後雇用面や地域経済への影響が懸念される。
 旧日本セメントが1926年に操業を始め、業界再編によって現在のプラントになった。年間119万トンを生産し、国内外に出荷。国内トップクラスの生産規模を誇る大分工場の一翼を担ってきた。生産中止の対象となった3工場のうち、実際に窯を閉じたのは同プラントが初めて。
 同日午後、稼働していたセメント焼成装置の火を消した。午後5時ごろ、終業時間を迎えた従業員が次々に正門に姿を見せ、普段と変わらない様子で工場を後にした。24日にあらためて火止め式を行うという。
 生産中止の背景には、公共事業の削減などにより、国内需要がピーク時の半分以下になったことがある。従業員の中には「自分たちの工場を守りたかった」と悔しがったり、「民主党の掲げた『コンクリートから人へ』の政策は、セメント業界への名指し批判も同然」と不満を漏らす人も。
 同プラントは7月ごろまで、貯蔵設備に残された製品を順次出荷。その後は電力会社の火力発電所で生じた石炭の燃焼灰を一時保管する「アッシュセンター」として整備する。リサイクル資源の需給を調整する役割を果たす。
 従業員の処遇については、早期退職の募集や配置転換などを行うが、詳細は決まっていない。協力会社も出張所の閉鎖や縮小、リストラなどを行う予定。市は関係機関と対策会議を立ち上げ、対応を協議している。

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