
平年に比べ大きくならないナシの実=23日、由布市庄内町
天候不順の影響が大分県内の農業生産にも出始めている。ナシなどの果樹は低温で受粉できなかった事例もあり、生産農家から秋の収穫を心配する声が上がっている。野菜はこの時期にまとまった出荷がないため、深刻な被害は出ていないもよう。しかし、これから夏秋野菜が成長する時期に当たり、県などは病害虫予防や水管理に注意を呼び掛けている。
県農林水産企画課によると、3月下旬に山間部を中心に氷点下を記録するなど低温が続いたため、果樹の花のめしべが機能しなくなったケースが報告されている。ナシはこれまでに日田市、日出町などで計1~2ヘクタール分の被害を確認した。
由布市庄内町でナシ、モモなどを生産する宮脇一範さん(64)は「4月に入って雪が降った。受粉後に太るはずの実が大きくならない。人工授粉を懸命にやったが、それでも収量は平年の5割ぐらいではないか。30年やっているが、大変厳しい」と顔を曇らせる。
果樹のほか、収穫期の5月中旬ごろまでに登熟(実入り)が進む麦類への影響も懸念されている。県内全域で赤かび病の発生が多くなっており、県が薬剤散布による防除を呼び掛けている。
JA全農県本部によると、この時期に県内でまとまった野菜を出荷する産地はない。4月(1~23日)の市場出荷量はダイコンが前年同期比を12ポイント、白ネギが5ポイント上回るなど、天候不順の影響は出ていない。ただ、今後も雨や日照不足が続けばピーマン、トマトなど夏秋野菜の生育が遅れる可能性があるという。
同本部は「(全国的に野菜価格が高騰しており)消費者が野菜を買い控えた状況で、県産野菜が多く出回る夏場に入ると、価格が下がってしまわないかと心配だ。生育の遅れによる市場のだぶつきも同様に懸念される」と話した。
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