
「上野の森」を楽しむ参加者=11日午前、大分市
大分県内の優れた文化や自然などを訪ね歩く「おおいた遺産ウオーキング大会」(県ウオーキング協会、大分合同新聞主催)が始まった。毎月各地で開かれ、約5年かけて、県内120の「おおいた遺産」すべてを巡るという企画。健康づくりをしながら古里の良さを見つめ直すきっかけにしようと、第1回・大分市大会(11日)に参加した。
3種類のコース
この日のテーマは「県都と上野の森」。前日までの雨もやみ、県内外から約500人が集まった。コースは大友氏遺跡体験学習館を発着地とする5キロ、10キロ、20キロの3種類。257人が選んだ10キロコースに同行した。
全員で準備運動をして体をほぐした後、午前10時に出発。まずは平安時代後期に作られたという大分元町石仏、岩屋寺石仏を巡った。金剛宝戒寺で目にしたのは、鎌倉時代に作られた高さ約3メートルの木造大日如来座像。どの石仏や木像にも傷がある。数百年間、大分を見守ってきた証しなのだろう。
「大事にされてきたんですね」と佐伯市の緒方陽子さん(57)。市街地のすぐそばに、多数の文化財があることに驚いたという。
豊かな植生が広がる上野丘の坂道を上る。標高約70メートル。芽吹いたばかりの新緑が目にまぶしく、時折ほおをなでる風が心地よい。丘の頂上にある市美術館で小休止すると、再び中心街へと向かった。
要所要所で解説
要所要所で、大分市の観光ボランティアガイドが解説する。
〈明治時代に建てられた赤レンガ館は、東京駅も手掛けた辰野金吾らの設計。終戦直後の空襲で内部が焼失したが、外壁は生き残ったため復元できた〉
大分市の主婦長浜志保さん(40)は「火災を乗り越えてきた歴史を知ると、ひときわ輝いて見えますね」と笑顔を見せた。
戦国時代に県都の礎を築いた大友氏の歴史遺跡なども巡る約3時間の道のりを経て、体験学習館へ戻った。日ごろ運動不足のわたしはヘトヘトだったが、県ウオーキング協会のメンバーたちが「お帰り」と大きな声で出迎えてくれた。
名前も知らない参加者同士が「お疲れさま」と声を掛け合う。10キロを歩ききった達成感。身近な歴史に気づき、感動を分かち合った充実感。わたしのほおも自然とゆるんだ。
(報道部・平尾将俊)
<ポイント> おおいた遺産
大分合同新聞創刊120周年を記念し、県内の優れた文化、豊かな自然、さまざまな史跡、建築物を保存、活用しようと2009年3月までに認定。本紙月曜日付の夕刊で紹介している。ウオーキング大会の開催は原則として毎月第2日曜日。
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