
ラクテンチや「うみたまご」の前売りチケットが付いた格安の宿泊プランをPRする女性フロントスタッフ=大分市中央町のホテルフォルツァ大分
2008年9月の大分国体を前に、ビジネスホテルの建設ラッシュが続いた大分市中心部。満杯の国体需要を終えた後、暗転。リーマンショックに始まる景気後退で宿泊客が減少、月平均で稼働率が10ポイントほど落ちたという。今、各ホテルでは新たな顧客開拓にサービス競争を激化させている。その最前線をのぞいた。
デフレや出張減
「稼働率はかなり回復した。しかし、企業進出の鈍化や出張費用の節約でビジネス客相手だけでは生き残れない」。そう話すのはホテルフォルツァ大分の鴇田(ときた)勝彦支配人。
そこで始めたのが家族連れを対象に、観光と組み合わせた宿泊プランだ。昨年7月、大分マリーンパレス水族館うみたまごのチケット付きプランを期間限定で売り出したところ、好評で定番化。「もともとカップルや家族連れが少なかった。お客さまは、大分から別府へ意外と近いことも実感されている」と手応え。
春休みにはラクテンチの入園チケット付き(4400円~)も商品化し、家族連れにアピールしている。
デフレはホテル業界もほんろうしている。今では格安プランは当たり前。多くのホテルが「格安のインターネットプランが予約の7割以上」と話す。シングル1泊朝食付きはビジネスホテルで3千円台、シティーホテルに近いホテルでも5千円台で泊まれる。
こだわりの朝食
実際に格安プラン(モニター価格)を利用して泊まってみた。ダイワロイネットホテル大分のレディースルームで、1泊6千円(通常1万3千円)。部屋には加湿機能付き空気清浄機やマッサージ機、木目調の高級感漂う浴室…。「女性スタッフの発想を生かした」と同ホテル。
老舗ホテルも「ハード面では太刀打ちできない分、ソフト面を充実させた」(大分センチュリーホテル)と、通常より4割安い優待券を発行したり、朝食の種類を増やして対抗する。
大分第一ホテルでは、昨年2月から朝食にだんご汁やじゃこ飯など県産品にこだわったコーナーを設置。「サイトの口コミで話題になり、朝食付きの予約が増えた」という。メニュー見直しで、レストラン全体の売り上げも昨年度は3割増加する好調ぶりだ。
国道10号沿いに1945年に創業した「ビジネスホテルクドウ」の工藤ミヤ子社長は「ただいまと言える旅館ならではの雰囲気を守っていきたい」と夜と朝の2食付きにこだわる。
一方、6月16日にはコンフォートホテル大分(大分市舞鶴町)が開業10年で営業を終了する。大銀経済経営研究所は「業界では陶太されるところも出ている。今後はもともとあるブライダル部門を強化したり、宿泊以外の需要開拓に動くのではないか」。
サバイバル競争はまだまだ続く。 (報道部・大塚史穂)
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