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時代を超えてミツマタ群生 観光資源に期待

[2010年03月13日 10:20]

咲き始めたミツマタ=11日午後、佐伯市本匠小半

 佐伯市本匠小半(おながら)の山の斜面に、和紙の原料になるミツマタの群生が“出現”し、黄色いかれんな花を咲かせ始めた。江戸時代、佐伯藩が栽培を奨励したものの、明治から昭和にかけて行われたスギの造林で陰に隠れていたものが、繁茂したとみられている。花は今月末まで楽しめそうで、地元関係者は「観光資源になるのでは」と期待を寄せている。

 大水車のある小半森林公園周辺の急斜面の谷間などに、高さ1~2メートルで、2~3メートル四方に枝を広げたミツマタが群生。広さは延べ1~2ヘクタールほどありそうで、地元の人たちは「これほどの大群生は県内でも珍しいのでは」と話す。枝には、40個ほどの小さな花(つぼみ)が密集して付いていて、直径3~4センチの球状になっている。
 市文化財保護審議会委員の芦刈成雄さん(78)は「旧因尾村(本匠地区内)の大庄屋の古文書に、和紙の原料になるコウゾの闇取引が発覚し、佐伯藩におしかりを受けたとある。ミツマタも当時から植えていたのではないか」と考えている。
 市文化財保護推進委員の矢野徳弥さん(86)は「旧中野村の古文書には、藩から資金を借りてコウゾ、ミツマタを植えたという記録がある」と話す。
 市教育委員長の宮明邦夫さん(52)が、現代書館から出版したシリーズ藩物語「佐伯藩」によると、佐伯文庫で知られる8代藩主毛利高標(たかすえ)が、1779(安永8)年に伊予大洲藩から技術者を呼んで和紙製造技術を普及させたとある。和紙を藩の専売品として弥生、直川、本匠で生産に力を入れたらしい。
 県植物研究会の真柴茂彦会長(74)は「ミツマタはスギの植林の影響を受け、長いこと日陰でほそぼそと生きてきた。スギが伐採されて日当たりが良くなって樹勢が元気になり、多くの花を付けるようになったのだろう」と話している。

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