
福沢記念館で展示中の手紙
中津市の福沢旧居・福沢記念館で、福沢諭吉が書いた手紙の公開が始まった。同館にとって数少ない本人の直筆。歴史的な資料として、展示物の目玉として、期待が寄せられている。
1862年、27歳だった諭吉が幕府の遣欧使節団の一員として渡欧した際、英国から、江戸在勤中の中津藩士の古田権次郎にあてた手紙。留守中の中津藩からの切米(給与)の扱いを依頼したもので、内容については現在、給与の返上か、管理依頼かで調査中。
市内新堀町の永野昌次さん(78)、千江子さん(74)夫婦が記念館に寄託した。千江子さんの曾祖父が、中津の古田宅を住居として購入。祖父の故中川芳之助さんが、ふすまの下張りに使われていた手紙を見つけ、以来、父の故中川勝さん、永野さん夫婦と3代にわたって管理していた。
額に入れていたこともあり保存状態は良好。ロンドンなど、子どもにも分かる文字が見て取れる。「大切なものとして大事にしてきた」と千江子さん。一方で「破れでもしたら大変」の思いも強く、夫婦で今後を相談した上で、寄託を決めたという。
慶応義塾がまとめた書簡集にも記される手紙。記念館ではあらためて鑑定をし、今月から当時の写真とともに一般公開。訪れる観光客らも興味深そうに諭吉の書を眺めている。「皆さんに見ていただければ幸い」と永野さん夫婦。寄託された福沢旧邸保存会の園憲一事務局長は「歴史的な価値がある手紙。もっと分かりやすくなるよう、工夫したい」と話している。
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