県教委は新年度、県内のすべての小学4、5年生を対象に、算数を中心とした夏休み補習(5日間)を実施する。両学年の学習内容が難しくなり、成績の差が拡大する傾向があることを受けた対策。民間のサポーターを加えた複数人の指導で、日常の授業ではカバーしきれない児童一人一人への「つまずき解消」に取り組む。長期休暇中に全小学校で補習をするのは九州で初めてという。
県教委によると、両学年は、分数や小数を使った四則演算など複雑な計算が加わることから、「算数嫌い」が生まれる“分岐点”という。指導内容や授業時間数を増やした新学習指導要領が小学校は2011年度、中学校は12年度から全面実施されることもあり、個別指導をすることにした。取り組みを通じて全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で低迷している算数の成績底上げも目指す。
図形の面積や文章題といった単元別に、幅広いレベルの問題に取り組めるドリルを各校に配る予定。毎日2時間、各児童がドリルの中から苦手分野を選んで取り組み、4、5年以外を担当する教員や教員OB、大学生といった民間のサポーター(各教室に1人)も加わって個別に指導する。
授業日ではないため出席は強制ではないが、個別指導によって学習意欲を高めてもらうため、全員に参加を求める方針。
県内では、日常の授業や放課後に勉強の進み具合に応じた個別指導をするのは難しいとして、長期休暇中に独自に補習をする小学校が増えており、09年度は43%が実施した。
県教委は「補習でつまずきの解消を目指し、児童が自主的に課題解決に取り組むきっかけにしたい」としている。
“強制力”はないが… 「不参加児童と差」懸念も
夏休みの補習については、保護者からは「欠点の克服と学力の底上げにつながる」(冨永大輔県PTA連合会長)と支持する声が聞かれる。市町村教委も「既に多くの学校が自主的に取り組んでおり、混乱はそれほどないのでは」(中津市教委)と受け止めている。
ただ、補習への参加は強制ではないため、旅行やスポーツ活動などで参加できないケースも予想され、「参加した児童との間に待遇の差が出る」(県教組幹部)と懸念する声もある。
県教委は「参加できない児童にはドリルを渡して家庭で解いてもらい、後日、教員が指導するなどさまざまな方法で対応したい」としている。
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