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住民の対応に課題 チリ大地震で津波

[2010年03月07日 09:33]

佐伯市米水津で高台に避難した住民=2月28日午後3時40分ごろ、佐伯市米水津浦代浦

 チリ大地震に伴う津波は県内にも到達した。津波警報を受け、自治体は沿岸住民に避難勧告を出したが、避難したのはごく一部だった。今世紀前半に発生が懸念されている「東南海・南海地震」では、県南の沿岸部を中心に大きな津波被害が予想されており、今回の住民の対応は津波対策への課題を浮き彫りにした。

 佐伯市は2月28日午後、沿岸部1万7600世帯(4万1500人)に避難勧告を出した。市によると、避難所に避難した市民は約300人という。
 市内の県漁協名護屋支店はこの日、午後3時半からの約2時間だけでも潮位が4回大きく変化したのを確認。津波は番匠川をさかのぼり、河口から約5キロ上流と、近くの支流(中江川)にあるシロウオ漁のやなの一部を流した。
 そのとき、河野一郎さん(76)=同市=は中江川で漁をしていた。「午後5時半ごろ、水位が50センチほど急に上昇し、川の流れが速くなった。乗っていた船に突然、やなが倒れかかってきた」と振り返る。
 河野さんは東北地方の津波第1波が20~30センチ程度だったので安全と判断し、漁に出た。「川の急変ぶりには驚いたし怖かった。1メートル未満の津波でも警戒が必要だと痛感した」と話す。
 同市米水津は東南海・南海地震で県内最大の高さ約6メートルの津波が予想されている。市米水津振興局は「住民を避難させるには、潮位の変化などを迅速、正確に伝え、危機感を持ってもらう必要がある」と話す。
 津波の高さを測る検潮所は県内に大分港と別府港の2カ所だけ。気象庁は佐伯市鶴見に3カ所目を整備中で今年7月から運用する。

 「事前に話し合って」 大分大学教育福祉科学部・山崎栄一准教授(災害法制)の話
 多くの県民は海外で発生した地震に現実味を感じず、県内の津波予想も高さ1~2メートルだったので危機意識を持たなかったのだろう。ただ、津波は高さ50センチでも海岸に押し寄せた時は時速約40キロにもなる。長期の警報・注意報の発令は当然の措置だ。
 避難ルートが津波を受け、避難所にたどり着けないケースもあり得る。高台なら「逃げない」ことが安全な場合もある。行政任せにせず、事前に住民同士でどこに、どう逃げればいいのか話し合ってほしい。

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