
別府市内に唯一伝わる「かまど神楽」。地元の神楽を守り抜こうとメンバーは奮闘している
別府市内竈に伝わる市内唯一の神楽社「かまど神楽」。住民でつくり、120年以上にわたって伝承されてきた“地域の宝”だ。座長の恒松恵典さん(64)は「伝統を絶やすまいと、メンバー10人で頑張っているが、地区外ではあまり知られていない。たくさんの人にわたしたちの舞を見てもらいたい」と願っている。
出雲神話の「八岐大蛇(やまたのおろち)」をモチーフにした演目「大蛇退治」。クライマックスシーンでは、大蛇がこれでもかと口を大きく開き、剣を構えるスサノオノミコトに向かって火を吹き付ける。飛び散る火花と立ち込める白煙。畳み掛けるような勇壮な舞―。スケールの大きさと手の込んだ仕掛けがかまど神楽の魅力だ。
明治の中ごろ中津から伝えられたとされ、先人たちが少しずつアレンジを加え、今の舞が出来上がったという。メンバーは50~60代が中心。神楽を舞っていた父の背中を見て育った2代目、3代目も多い。
13歳で神楽を始めた恒松さんは、かまど神楽が演じる全13番の舞、おはやしを知る唯一のメンバー。資料はないため、すべて見よう見まねで体に覚え込ませてきた。「一朝一夕に覚えらえるものじゃない。後継者の発掘・育成に力を入れていかんと神楽社の存続は厳しい」と話す。
練習は週に1回ほど、内竈公民館で実施。サラリーマンが増え、全員が集まるのは難しくなっているが、正月に八幡竈門神社で披露する奉納神楽には、必ず全員が顔をそろえるという。
「地元の神楽を守らないけんっちいう責任感はある。けど、それ以上に神楽を愛しちょんしばかりやけん、ここまで続けてこれちょんのやろうなあ」と恒松さん。「お声が掛かれば、どこへでも行きますよ」とPRしている。問い合わせは恒松さん(TEL0977・23・6867=生花店「華つねまつ」)へ。
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