
クラスメートとの卒業を喜ぶ軸丸竜太郎君(中央)=5日、佐伯市の佐伯城南中学校
みんなと一緒に卒業するのが夢。それがかなった―。通常の10倍の早さで老化症状を引き起こす重い病気と闘っている軸丸竜太郎君(15)が5日、佐伯市の佐伯城南中学校を卒業した。
家族によると、軸丸君は中1の冬に脳出血で倒れ、生死の境をさまよった。「奇跡的に命の火を吹き返した」後、登校できる日は少なかったが、32人のクラスメートと共有した思い出は多い。卒業式では、友達が車いすごと抱えて軸丸君を壇上へ。卒業生128人の“トリ”で、宮原健校長から卒業証書を受け取った。
卒業は入学時からの夢だったという。友達を笑わせるのが大好きな明るい軸丸君をクラスメートや教諭、保護者らは見守ってきた。運動会、文化祭、修学旅行…。思い出の写真には必ず、たくさんの笑顔の中心に軸丸君がいた。
式典後、教室で記念写真を撮っていると、クラスメート全員が突然、軸丸君と母親の美智子さん(47)に「数々の困難を乗り越えながらも、明るさを忘れなかった軸丸親子へ」と感謝状を贈った。驚き、喜ぶ軸丸君の横で、美智子さんは「夢がかなった。これからも一瞬一瞬を大切にしていきたい」と涙を浮かべた。
3年間、担任だった甲斐誠教諭(36)は「竜太郎君にしたことは介助やフォローではなかった。人としての魅力がみんなを引き付けたんです。みんな一緒の卒業、言うことなし!」。
宮原校長は「世界にたった一つの自分自身を大切に生きてほしい。自分の良さを見つめ、信念を持って前に進んでほしい」と、はなむけの言葉を贈った。
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