
金型技術者養成の研修会場となる県立工科短期大学校の設備の一部。手前が金型で右奥はプレス機
大分県内の自動車産業で一層の集積を図るため、県は新年度から、自動車部品製造の基盤技術で大量生産に欠かせない「金型」の保全(メンテナンス)技術者の養成に取り組む。ダイハツ九州(中津市)も「金型の内製化(自社生産)を視野に人材を育成し、コスト削減を進める」(東迫旦洋会長)方針。官民一体の事業推進で、新たな金型産業をはぐくみ、地場企業などの受注拡大につなげる。
技術者養成は、県立工科短期大学校を会場に、ダイハツ九州や金型メーカーから講師を招く。期間は6月から約8カ月間で、計185時間。「通常の金型研修は20~30時間程度。基礎知識や保全技術を座学、実習の両方でじっくり学んでもらう」と県産業集積推進室。対象は金型プレスメーカーの従業員10人程度。研修費用の全額を県が負担する。
プレス用の金型を扱う県内の企業は、ダイハツ九州や金属プレスメーカーなど進出企業を中心に10社ほど。しかし、金型の保全は本社(親会社)や県外業者に依存しているのが現状だ。
一方、ダイハツ九州は最先端工場の強みを発揮し、不況の中でも生産を拡大。それに伴い金型も増えている。同社は「10トンを超える金型もある。調整や修理のための輸送費用は負担が大きい。地元で、しっかりと保全ができる人材が欲しい」と話し、研修の成果に期待する。同社は社内でも独自に技術者を養成する考え。
北部九州の自動車メーカー各社は競争力強化のため、部品調達費で2~3割の大幅削減を打ち出した。県は「こうした調達改革に対応して金型保全サービスの供給体制を早期に整え、一層の企業誘致につなげたい」としている。
<ポイント>
金型保全の人材育成 県は新年度予算案に、「ものづくり基盤技術集積事業」として盛り込んだ。重点施策として推進する特別枠の一つに位置付けており、事業費は約400万円を見込む。
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