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学生らと協働“駅づくり” 大分大学前駅

[2010年03月02日 14:21]

接客や会話を大切に心掛ける木原光夫駅長(右)

 利用者サービスが“満点”の駅が大分市にある。JR豊肥線の大分大学前駅。快適な空間づくりと接客の良さが評価され、JR九州の「サービスランキング」で今冬、同社で初めての満点を記録した。年間成績でも常に上位の同駅。その背景を探った。

あふれるアイデア
 2月のある日、取材と告げずに駅に降りた。ホームは紙くず一つ落ちておらず、改札口では「ありがとうございました」「お疲れさまでした」と駅員のあいさつが響く。駅舎は色とりどりの花や絵が彩り、明るい雰囲気を醸し出していた。
 「絵は学生が描いてくれた。花は近所の人や駅の利用者が持ってきてくれるんです」。後日あらためて取材に訪れた際、木原光夫駅長(65)は笑顔で話した。
 同駅は木原駅長と藤田和広営業主任(54)が交代で勤務。1人での業務は忙しいが、てきぱきとこなす。改札はもちろん、窓口で長距離切符の販売、電話の応対、列車に乗り遅れそうな客がいれば急いで運転士に合図をする。大きなスーツケースを引っ張る女子学生には「卒業旅行か。ハワイ? そりゃ最高じゃなあ。行ってらっしゃい!」。
 木原駅長は55歳でJRを定年退職した後、中・小規模の駅の業務を担う関連会社に再就職。2002年の同駅開業時から駅長を務め、地元と連携した取り組みを次々に進めている「すごいアイデアマン」(JR九州大分支社)だ。
合格祈願のお守り
 駅の乗降客は、ほとんどが学生か周辺団地の住民。「地域に根付いた駅にしよう」と交流は盛んで、利用者に花の苗を贈ったり、大学受験の日には手作りの合格祈願のお守りを配布。学生や住民のボランティアが駅の美化活動をすることもある。駅員のみならず、周りの人たちが“駅づくり”にかかわっている。
 ホームから改札口へ上る通路は、学生らが絵や写真を展示する「スロープギャラリー」。2月中旬にはバレンタインデーにちなんで「告白ボード」が設けられた。さまざまな書き込みに交じって「大分大学前駅、大スキ」「卒業してもこの駅のことは忘れません」というメッセージも。駅が愛されている証拠だ。
 「大学や地域と本当に良い関係ができている」と話すのは、大分大教育福祉科学部の山岸治男教授(63)。学生たちも駅員とあいさつや交流を重ねるうちに「駅を大事に使おうという気持ちになる」のだという。
 「若者の輝きに負けないよう、いつも笑顔を心掛けている。学生のいい見本になりたいんですよ」と木原駅長。駅を愛する利用者と、利用者を愛する駅員。互いに密着した関係が快適な駅をつくる源のようだ。
 (経済部・小林大輔)

<ポイント>サービスランキング
 JR九州が管内の駅や旅行支社を対象に実施しているサービス調査。構内の美化や利用客への対応などを外部の“覆面調査員”が採点し、年3回の調査の合計で順位を公表する。2003年度に開始。09年度は144駅と13旅行支店を対象に、1回の調査につき300点満点で採点した。

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