
大分の玄関口、JR大分駅前に立地する大分パルコ(中央左)=2009年9月、大分市府内町
来年2月での閉店が決まった大分パルコ(大分市府内町)。市中心部の大型ファッション店として若者に強いブランド力を持つパルコの撤退で、街の魅力低下が懸念される。行政や経済界が活性化に取り組む中心市街地のデザインは描き直せるのか。県都の街づくりは正念場を迎えている。
「パルコがあることで『おしゃれな街』というイメージができていた」
1977年に開業した大分パルコ。“街の顔”ともいえるJR大分駅前に立地するだけに、閉店のニュースは周辺に波紋を広げている。商店主たちから「街の“看板”がなくなる」「(心理的な)落ち込みが大きい。どうにかしないと」「若者が中心部からさらに離れていくのでは」などと不安が漏れてくる。
同じ市中心部に立地するトキハの佐藤裕士社長は「郊外店や福岡との競合が強まる中で、中心市街地が連携して魅力の底上げに取り組んでいた。(中心部の)集客、にぎわいへの影響が気掛かりだ」と話す。
市中心部では2009年3月にも大型店の総合スーパー、大分サティが閉店。吉田元・市商工農政部長は「年末にサティの後継(となる食品スーパーの出店)が決まってほっとしたばかり。本当にショックだ」。
市は08年に国の認定を受けた「市中心市街地活性化基本計画」(対象区域145ヘクタール)に沿って活性化事業を進めている。その中で設定している年間商品販売額の数値目標(2012年に880億円)は、パルコやサティなど大型4店舗の存在が前提。「核となる店の撤退で影響は出てくると思う」と吉田部長。
閉店後の後継テナントは「現段階では白紙」(ビル所有者の大分開発)という。パルコ内には約80の出店テナントがある。経営者の一人は「(パルコの)経営判断は仕方がないが、今の営業形態を引き継いでくれるデベロッパー(開発業者)を官民一体となって早く見つけるべき」と商業施設の機能維持を訴える。
一方、大分駅周辺の大規模な再開発で、市中心部は新たな姿が形成されつつある。駅の高架化は12年春に完成予定で、駅前広場の整備も注目される。日本政策投資銀行の山下智之大分事務所長は「大分市は駅と中心市街地が近接しているのが特徴で、現在のパルコはそれを生かす鍵になる場所に立地している。パルコの撤退後、どうやって中心部の魅力を高めていくのか。街づくりを真剣に考える契機にすべきだ」と話した。 (経済部・小林大輔)
[PR]セントラル短資FX
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA