2005年に豊後大野市清川町で起きた強盗殺人事件で23日、同市出身で住所不定、無職伊東順一被告(58)に無罪判決(求刑・無期懲役)を言い渡した大分地裁の宮本孝文裁判長は、最大の争点となった捜査段階の被告の自白について「ほかの証拠と整合しておらず、信用性に疑問が残る」と判断した。
判決理由で宮本裁判長は「自白調書の内容は殺害態様と食い違う」など矛盾点を指摘。「自白したのに(奪った)車の鍵の投棄場所について真実を語らないのは不自然」とし、凶器のひもの態様など検察側が主張した犯人しか知り得ない「秘密の暴露」も「暴露には当たらない」と退けた。
また「犯人は多量の返り血を浴びた可能性が高いが(殺害後に奪ったとされる)車の中からは微量の血痕しか見つかっていない。金券はいつ奪われたか明らかではない」とし「殺害犯が車や金券を奪ったかは疑問。殺害後、何者かが車を盗んだ可能性もある」とまで言及した。
検察側は05年3月8日ごろ、被告が山口範子さん=当時(61)=方から現金約13万円を盗み、同14日ごろ再び山口さん方を物色中、見つかったため山口さんを殺害、乗用車や金券などを奪った―と主張していた。
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