
浜嶋酒造で蒸した米を冷ます作業をする、小倉恭平さん(右)と浜嶋弘文専務=豊後大野市緒方町
発酵などを学んでいる別府大学食物栄養科学部の学生が、県内の酒蔵で作業を手伝いながら酒造りを勉強している。学んだ知識を生産現場で確認するとともに、座学では得られないものを吸収するのが目的。「現場はとても勉強になる」と学生。受け入れている酒造会社は「酒造りに情熱を燃やす学生の姿は励みになる」と歓迎している。
酒造りを手伝っているのは、発酵食品を生産・製造する専門家を養成する発酵食品学科の3年生。2006年度に設置された同科は08年度から、発酵の基礎を学んだ3年生が、みそや酒、しょうゆを造る醸造会社の協力を得て、3週間程度の「臨地実習」に取り組んでいる。これまでに約50人が県内外で実習した。
本年度は酒造りの分野で10人が実習を計画。現在、小倉恭平さん(21)が豊後大野市緒方町の浜嶋酒造で手伝いに励んでいる。期間は今月5日から3週間の予定。
同社は年間生産量400石(7・2キロリットル)の小規模な酒蔵。小倉さんは杜氏(とうじ)と一緒にコメを洗ったり、発酵タンクの中をかき混ぜるなどの力仕事をしている。「酒造りに懸ける杜氏の情熱は現場でなければ分からない。貴重な体験をさせてもらっている」とにっこり。
杜氏の浜嶋弘文専務(45)は「うちは手作業で酒を造っているので、人手が増えるのは助かる。消費者の視点で大学生の意見を聞けるのもありがたい」。
昨年2月、女子学生2人を受け入れた井上酒造(日田市)の井上睦子社長(72)は「住み込んでもらって一緒に酒を造った。かわいくて意欲旺盛で、仕事場に天使がやってきたようだった」と振り返る。
同学部長の森口充瞭教授は「杜氏を目指している学生もいる。県内には50近くの酒蔵があり生産は盛ん。実習は学生が学ぶだけでなく、現場に活気を生み出すきっかけにもなればうれしい」と話している。
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