
垣迫さんの店では、アロワナを飼育している水槽から水をくみ上げ、上部でトマトや観葉植物などを水耕栽培。植物の成長スピードは通常の2~3倍ほどという
魚を飼育した水を使って植物を水耕栽培すると、植物の成長が早まる―。別府市石垣西の自営業垣迫直二さん(63)が、魚の水槽と水耕栽培の容器の間で水を循環させるシステムを考案し、特許庁の実用新案に登録された。近く商品化に乗り出す考え。「手軽に新鮮な野菜を作ることができる。将来的には世界の貧困地区の食料確保につなげたい」と夢を描いている。
考案したシステムでは、水槽と容器をパイプでつなぎ、ポンプで水を循環させる。魚の排せつ物が栄養分となり、植物の成長を促すという。「昔は人間や家畜の排せつ物を肥料にして野菜などを育てていた。それと同じ発想」と垣迫さん。魚の養殖にも応用できるという。
垣迫さんは自営する店舗内の水槽で10年ほど前から魚類を飼育。水槽から引いた水で観葉植物を育ててみると、通常の水耕栽培より2、3倍のスピードで成長することに気付いた。以来、ナスやトマト、ニガウリ、ミツバ、パセリ、イネなどで試したが、いずれも効果があった。「成長が早く、無農薬でおいしい。水槽に入れるのはコイ、ウナギなど淡水魚なら何でもOKで、病気にならないなどいいことずくめ」という。
県水産試験場(佐伯市上浦)は「魚のふんには、肥料の3要素である窒素、リン、カリウムのうち、少なくとも窒素とリンが含まれている。植物の肥料として有効である可能性はある」と話す。
病気のため、電動車いすを使っている垣迫さんは「障害者の気持ちが分かる」と、自宅2階を知的障害者らの作業所として提供するなどしている。「不景気な時代なので、行政に頼らず自助努力をしたい。そのためは『垣迫の事業はいい』と認められるようにしたい」と張り切っている。
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