1時間超は大分だけ
「ホーバーに替わる交通手段を考えないと、出張で来た時に滞在時間の余裕がなくなる」「バスの時間短縮に取り組んで」。県や業界で構成する大分空港利用促進期成会が昨年秋に実施した利用者アンケートでは、交通アクセスの改善を求める声が目立った。
2009年10月末にホーバーが廃止され、空港と県都大分市を直接結ぶのは所要時間60分の特急バス(エアライナー)だけ。九州で県庁所在地中心部から空港まで1時間以上かかるのは大分県だけとなった。
交通アクセスは運航ダイヤと並んで空港の競争力に直結する課題だけに各空港では官民が連携して改善に取り組むケースが多い。
鹿児島空港の場合、鹿児島市中心部に向かう高速バスは地元2社の共同運行で、半数はノンストップ便。関係機関がつくる協議会は経路の見直しなどでさらに短縮できないか検討している。熊本空港では熊本市と結ぶバスが渋滞で遅れることが多いため、08年度に信号を制御する公共車両優先システム(PTPS)を市中心部に導入した。
一方、大分のエアライナーは、高速道路経由の便は一部のみ。PTPSは国道10号の一部で導入されており、運行する大分交通は「バス停の見直し(削減)やPTPS対応車両の追加など、利用実態を踏まえて県と連携して対応可能な方策を検討、実施したい」とするが、具体策はこれからだ。ホーバー廃止への対応で同社は代替バスを運行しているが、利用はいまひとつ。旧ホーバー基地に無料駐車場があり、すべて直行便という利点のPRが課題になっている。
高速道無料化もカギ
マイカーや社用車も重要なアクセス手段。県は12月から大分空港道路の無料化を打ち出した。6月開始とみられる高速道路無料化の社会実験では大分市以南の東九州自動車道や宇佐別府道路が対象になった。通行料が下がれば福岡など隣県に流れていた利用者を取り戻す効果も期待でき、車によるアクセス増加への対応も求められそうだ。
だが数年先を見渡すと楽観はできない。整備中の東九州自動車道の県北区間が完成すれば早朝、深夜の東京線がある北九州空港(北九州市)はぐっと近づく。高速道路無料化の対象が広がれば福岡など他空港に行きやすくなる。
どの空港を使うか、選ぶ上で重要な要素であるアクセス問題。官民が連携して利用者の目線でさまざまな側面から改善に取り組んでいくことが欠かせない。
<ポイント>公共車両優先システム(PTPS)
バスなどの車載器からの通信を道路に設置された装置が受信。進路にある信号機に対して青信号を延長したり赤信号を短縮したりする制御をして、交差点を通過しやすくするシステム。県は2002年サッカーワールドカップ大分開催前に国道10号の別府市―日出町間の信号に導入。エアライナーの一部に車載器が登載されている。
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