
横転した柳ケ浦高の野球部員を乗せたバス=昨年7月11日
柳ケ浦高校(宇佐市)野球部のバス横転事故に絡み、道路運送車両法が保安基準で設置を義務付けているシートベルトがバスの座席にないのに車検を通過していた問題で、九州運輸局が、車検を代行した自動車整備会社「岡本自工」=同市=に対し、車検証発行に必要な「保安基準適合証」などを50日間交付停止する行政処分をしていたことが8日、運輸局への取材で分かった。交付停止中は、同社工場で車検に必要な検査をすることができない。また、同社の自動車検査員1人の解任を命じる行政処分も併せて行った。処分はいずれも昨年12月23日付。検査員は2年間、車検業務に携わることができない。同社によると、検査員は車検を除く自動車整備の仕事をしているという。
取材に対し同社は「処分を真摯(しんし)に受け止め、命令に従い業務を行っている」と話している。
運輸局によると、同社は2008年12月にバスを検査した際、運転席以外の座席にシートベルトが取り付けられていないのに、適合証を交付した。検査員は検査結果の記録簿にある、シートベルトが正常かを書き込む欄に「検査不要」を意味する斜線を引いていた―というのが行政処分の理由。
道路運送車両法では、国指定の整備業者が行う「民間車検」の場合、国に代わって車を点検した業者が適合証などを車の所有者に交付でき、その書類を所管の運輸支局に提出すれば車検証が更新されることになっている。検査員が車検業務で不正行為をした場合、運輸局は解任(2年間)を命じることができる―と定めている。
同法の保安基準は1987年9月以降生産のバス(10人乗り以上)について、補助席を除く全席にシートベルト装着を義務付けている。横転したバスは91年12月製造で、同月に購入。同社やほかの業者で08年まで年1回の車検を通過しており、毎年、違反が見逃されてきたことになる。
事故では、車外に投げ出された野球部員1人が死亡した。シートベルトをめぐっては、バス製造会社は「すべての固定座席に装着した状態で出荷した」と主張。県警も道路運送車両法違反の疑いがあるとみて捜査したが、どの時点でベルトが外されたのか特定できなかった。運輸局も「ベルトがなくなった経緯は不明」としている。
<ポイント>
柳ケ浦高校のバス横転事故 昨年7月11日、日出町の大分自動車道で、柳ケ浦高校野球部の部員46人を乗せたバスが全国高校野球選手権大分県大会の開会式に向かう途中、スリップし横転。乗っていた部員1人が死亡、37人が重軽傷を負った。運転していた同校教諭の不破大樹被告(26)=大阪府堺市=が自動車運転過失致死傷の罪に問われており、12日に大分地裁で初公判がある。
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