大分のニュース

おおいた『空の玄関』利用減続く空港<上>

[2010年02月09日 08:52]

 遠のく目標「200万人」 

 大分空港の利用者が急激に減少している。2008年後半からの景気悪化が直撃して、09年度上半期(4~9月)は前年度比11%の大幅減となった。通年ではピーク時の4分の3程度の150万人台にまで落ち込む可能性があり、大分県が目標に掲げる「年間200万人」は遠のくばかり。県など関係者は危機感を募らせている。
 経済情勢以外にもマイナス材料が多い。「永遠の課題」になっている交通アクセス問題。県都大分市と空港を約30分で結んだホーバークラフトが09年11月、休止になり、対策が急務になっている。
 隣県の空港やほかの交通機関との“競争”や、日本航空の再建に象徴される航空業界内の急激な変化など大分空港を取り巻く環境はさらに厳しさを増す恐れがある。
 特に減少が激しい大分―大阪線は4月から1往復減ることになった。大分発着路線の減便・廃止による空港の利便性の低下は、県民生活や県内経済に大きな影響を与える。大分の「空の玄関」を取り巻く現状と課題を検証する。

 九州内での“地位”低下 ダイヤ改善が急務

ドル箱線も利用者減
 「九州の主要空港の中で大分の落ち込みが一番大きい。半分を占めるビジネス需要が冷え込んでいる」。日本航空インターナショナル大分支店の鈴木剛支店長はため息交じりに語る。
 大分空港の利用者数は1997年度の206万人をピークにじりじり減少。景気悪化がさらに加速させている。全体の7割程度を占める「ドル箱」の東京線も08年度は前年度比4・4%減。09年度上半期は9・3%の大幅減になった。
 大きな要因は出張を減らすなどビジネス需要の落ち込みだ。大手製造業を中心に進出企業が多いことが大分空港のビジネス需要を押し上げる「強み」になっていたが、景気悪化による影響も大きく出た形だ。
 「大分空港の『競争力』が近隣の空港より落ちている」(全日空大分支店の駒田敦支店長)との指摘もある。競争力には路線・便数、運賃(割引・格安料金があるか)に加え、交通アクセスや観光の魅力などさまざまな要素が反映される。
 景気悪化前の07年度、利用者数の前年度比減少率(3・1%)は九州内の主要な空港で大分が最も大きかった。九州全体の空港利用者の中で大分の占める割合は03年度の5・3%から08年度は4・9%に。相対的な地位低下がうかがえる。
県民全体で考える時
 競争力を回復するため、ダイヤ設定について「もっと使い勝手をよくしなければ」(幸重綱二大分交通社長)と改善を求める意見は根強い。東京線の大分発は午後6時台まで。県などが実施した利用者アンケート調査(昨年11月)でも増便を希望する時間帯は午後8時台が最も多かった。
 県は10月の羽田空港再拡張に向けて東京線の増便を航空各社に働き掛けている。だが利用実績を踏まえると実現するか不透明だ。逆に大分県内の利用者も多い福岡、北九州、熊本で増便や新規会社の参入が実現すれば、大分の競争力は相対的に低下することになる。
 加えて日本航空の再建問題もあり、「航空各社の『もうからない路線は縮小・廃止』という流れが強まりかねず、地方路線にとっては厳しい」(谷口礼史県総合交通対策課長)と懸念する声も出ている。4月から減便になる大阪(伊丹)線はJRとの競争激化もあって10年間で利用者が約4割減少していた。
 「官民が連携して地道に利用者を増やす努力をするしかない」。関係者の一致した声だ。大分の空の玄関の将来を県民全体で考えるべき時が来ている。

 <ポイント>
 大分空港の利用実績 2008年度の定期路線の利用者数は▽東京線(1日11往復) 125万9261人(前年度比4・4%減)▽大阪線(7往復) 31万4877人(同7・1%減)▽名古屋線(2往復) 10万3652人(同13・2%減)▽ソウル線(週2往復) 2万3073人(同20・2%減)。

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