
「家族も同然。必死だった」と振り返る木原繁幸さん
津久見市保戸島で5日未明に6棟が全焼、1人の遺体が見つかった火災で、火の手が差し迫る住宅に入り、就寝中の一人暮らしの女性(83)を隣に住む船員木原繁幸さん(68)、チズミさん(62)夫婦が助け出した。救出直後に女性方は全焼。果敢な行動が命を救った。
火災は同日午前2時50分ごろ住宅密集地で発生。1階で寝ていた繁幸さんは「パタパタ」という物音に気付いた。窓からは赤い光が漏れていた。異変を感じ、外をのぞくと、目の前で真っ赤な炎が上がっており、チズミさんに慌てて声を掛けた。女性のもう一方の隣家はすでに炎に包まれ、火勢は増すばかり。「おばちゃんを助けないかん」。繁幸さんは自宅を飛び出した。
幸い女性方の玄関は鍵が開いていた。「火事や。すぐに逃げるようにせえ」と叫んで室内へ。寝ていた女性を起こし、外に避難させた。外ではチズミさんらの呼び掛けで集まった人たちがバケツで水を掛けていたが、間もなく屋根に飛び火。瞬く間に燃え広がった。
女性は耳が遠く、足腰が弱かったという。日ごろから気に掛けていた住民たちは「少しでも遅れていたら危なかった」と安堵(あんど)した。
繁幸さんは「私が小学生のころからの付き合いで家族も同然。必死だった」と振り返る。チズミさんは「一人が亡くなったのは残念だが、おばちゃんを助け出せて良かった」と話した。
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