
観光客に館内について説明する劉江さん(右)=大分市の「うみたまご」
人口10万人当たりの留学生数が339・8人(2008年末)で、全国一の大分県。別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)をはじめ、県内の大学は積極的に外国人を受け入れている。では卒業後はどうしているのか。県内の企業で働く卒業生たちを取材した。
「ショーが始まるまで、館内をご案内しましょう」
大分マリーンパレス水族館うみたまご(大分市)の劉江(りゅうこう)さん(34)=中国出身、別府大卒。「人と接するのが好き」という入社4年目の館内ガイドだ。中国人団体客には専属で案内。同館は「中国人客の増加につながれば」と期待する。劉さんも「ずっとここで働きたい」。
中古車販売のマイカープラザトムス(大分市)のサイード・ザファーさん(28)=パキスタン出身、APU卒=は入社5年目。従業員6人の小企業で、中古車をアフリカに輸出する事業を1人で担当。会社の売り上げの半分を貿易で稼ぐ。
母国で日本車に興味を抱き、在学中に知り合った上金(じょうきん)鉄男社長に輸出を提案。「国内だけでは行き詰まると考えていた。彼の採用はベストの選択だった」と上金社長。サイードさんの夢は「将来は県内で貿易会社をつくりたい」。
多くの留学生が「暮らしやすい」「環境がいい」と好む大分県。だが就職は就労ビザ(在留資格)の取得が壁になる。外国人が働く必要性の薄い業務内容では取得は難しく、国際業務を手掛ける企業が少ない県内は受け皿に乏しい状況だ。
国際学科を新設する明日香美容文化専門学校(大分市)に昨年就職した常文静(チャンウェンジン)さん(28)=中国出身、APU卒=は「大分に住みたいが、就職先が見つからないと話す友達もいる。ほとんど東京や大阪に行ってしまう」。
一方、サジタ・ペレーラさん(29)=スリランカ出身、APU卒=は昨年、東京の大手メーカーを辞め、海外事業を進めるIT企業のオーリッド(別府市)に再就職した。「英語と日本語が堪能で、日本人と働いた経験もあり即戦力」と同社。サジタさんは「会社の拡大に貢献し、自分も成長したい」と意欲を燃やす。
「東京で働いていても、別府に戻りたいと思っている卒業生は多い」とサジタさん。大分県で学んだ留学生が地元の企業で活躍し、企業の業績も伸びていく。そんな元気な姿をもっと見たいと思った。 (経済部・小林大輔)
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