
大分県などの研究機関がハウスミカンの省エネ栽培方法の開発に取り組む=国東市国東町の県果樹研究所
ハウスミカンなど施設栽培果樹の省エネ生産技術を確立しようと、大分県など4県と大学などの研究機関は本年度から3カ年事業で、ミカンのエネルギー消費の生態解明や、低コスト暖房システムの開発などに取り組む。
2008年に原油価格が高騰し、重油加温機を使っていた杵築市などのハウスミカン農家は大打撃を受けた。事業は原油の価格変動の影響を受けにくい生産方法を開発し、農家の経営安定に結び付けるのが狙い。費用は国が全額負担。県果樹研究所を中心に宮崎、鹿児島、佐賀各県の研究機関、九州大学、九州電力などが参加する。
ミカンがエネルギーを消費する時間帯など生態を解明することにより、ハウスの温度管理を見直すことができ、コスト削減につながる。ハウスでは夜間、過去の気象データなどから算出した一定の温度で管理するが、この温度を従来より下げられないかを探る。
加温機は重油以外の燃料を使った機械も組み合わせて費用抑制を目指す。既に導入事例も多い廃プラスチックをはじめ、木質などの燃料を使う機械の開発、実証を進める。このほか、低コストの冷媒で冷気をつくり、着色などの適期にハウス内の温度を下げる技術を促進。ハウス内のビニール管に通気してミカンやマンゴーの着花などを進め、収穫量アップを目指す。
こうした研究で、10アール当たりの年間燃料コスト(重油1リットル80円換算)を、年間約40万円引き下げる効果を狙う。県果樹研究所は「高齢化や担い手不足でハウスミカンの栽培面積は減っている。産地を少しでも元気づけられる研究にしたい」と話している。
<ポイント>
ハウスミカン
県園芸振興室によると、大分県は全国3位の産地だが、高齢化などで生産規模は縮小している。生産量は2004年に5120トンだったが、08年は3260トンに減少。10アール当たりの生産コスト(年間平均)は200万円~250万円ほどで、うち重油代が約140万円(1リットル約70円=1月現在)を占めるという。重油価格は高騰した08年8月のピーク時は、1リットル約120円まで上昇した。
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