
長年にわたり国宝臼杵石仏の保存整備に尽力してきた菊田徹さん
長年にわたり国宝臼杵石仏(臼杵市深田)の保存整備に尽力したとして、元臼杵市教委教育次長の菊田徹さん(61)が本年度文化庁長官表彰を受けた。
菊田さんは東京都出身。1976年に臼杵市職員になった後は石仏を中心とする文化財の仕事一筋。2009年3月に定年退職した後も市文化財専門員として石仏の保存整備に携わっている。
11月に文化庁であった表彰式で表彰状を受け取った。「先輩がやってきたことを引き継ぎ、自分が最後まで残ったから表彰を受けたのだと思う。周りの人の支えがなかったらできなかった」と感想。
これまでで深く心に刻まれている出来事は、古園石仏群の大日如来像仏頭の復元と95年の国宝指定。地面に落ちていた仏頭を元に戻すかどうかは大きな論争になり、3年半の間に88回もの市民討論会を開いて議論を深めた。「あの3年半は胃が痛かったが、メリットもデメリットもすべて示した上で、いかに現状を残していくかという説明をした。市議会で復元のための予算が減額になったこともあったが、最後は市民が支えてくれた」と振り返る。
今後も石仏の保存修復に当たりながら「誰が、いつ石仏を造ったのか」という大きな謎を追う研究も続ける。「実物が残っていることで当時の人の思いを直接受け取ることができる。形がある以上、大切に残すのが文化財に携わる者の役目。体の続く限り石仏の保存や研究をバックアップしていきたい」と話している。
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