大分県は養殖ブリの飼料として県特産のカボスを使う研究を進めている。飼料に使うことにより、カボスに含まれるポリフェノールの効能で、切り身にした際の変色を約40時間遅らせる効果を確認した。県は「カボスとの相乗効果で県産ブリのブランド力向上につなげたい」と、来年度以降に生産現場への技術移転を目指している。
県漁業管理課などによると、ブリは切り身にすると色素タンパク質が酸化するため、約40時間で血合い(血肉)が赤色から褐色に変わる。「ほかの魚に比べ変色が早い。養殖ブリの脂肪分の高さに何らかの原因がありそうだ」と県水産試験場。変色したブリは見た目の悪さから敬遠され、商品価値が下がるのが以前から課題となっていた。
課題解決に向け、各県の研究機関が取り組んでいる。抗酸化作用を持つポリフェノールが注目され、市販飼料に既に使われている。県は「飼料に特産のカボスを使えば、付加価値を高められるのではないか」と、2007年度に研究に着手した。
同試験場は製薬会社の協力を得て、カボス果汁の原液を粉末状にし、配合飼料に混ぜて養殖ブリに与えている。複数のいかだ(30~40匹入り)でカボス投与の有無や濃度の違いにより、どういう影響が出るかを調べてきた。カボスを0・6%含む配合飼料を与えた場合、変色を最大で約40時間遅らせる効果があったという。
しかし、カボスの配合飼料を使うと、ブリ1キロ当たりの飼育費用が約20円上昇するため、「生産現場で導入するには低コスト化が課題」と同試験場。県は来年度以降、カボスの飼料を生産現場で実用化する考え。漁業管理課は「市場での評価はこれからだが、県産ブリの付加価値を高められるよう後押ししたい」と話している。
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