
県が設置した簡易ろ過装置。鉄分の多い水の改善が期待される=豊後高田市内
県は小規模集落の生活用水を安定的に確保するため、取水が困難になっている地区で利用できる簡易ろ過装置による浄水実験に取り組んでいる。微生物による分解作用を利用した砂ろ過装置2台を豊後高田市内のモデル地区に設置。地下水に含まれる鉄分の除去に一定の効果が出てきており、本格導入に向けた検証や装置の調整を進める。
10月中旬に「生物浄化法ろ過装置」を用いた浄水実験を開始した。装置はプラスチックの容器に砂を入れてゆっくり水を通し、砂の中に存在するバクテリアの分解作用で汚れを除去する仕組み。「高齢化の進んだ小規模集落では安価で簡単に扱えるものが必要」(県環境保全課)として、量販店で手に入るパイプやホースなどを使って試作した。
県の調査によると、同地区の地下水は鉄分を多く含んでおり、井戸からは赤く濁った水しか出ないという。飲用や洗濯、入浴に適しておらず、10キロほど離れた場所まで水くみに行く家庭もある。
簡易検査では、同地区の地下水に含まれる鉄分は1リットルにつき0・25ミリグラム(水質基準の上限値は0・3ミリグラム)。ろ過後はほぼ0に近づいた。マンガンも約2週間後にはほとんどが除去された。今後は洗濯を繰り返し色素の沈着具合を見るといった実用性の検証実験に取り組み、装置の改良を進める。
県の2007年度の調査では、小規模集落を中心に県内全人口の8・4%(約10万1千人)が井戸やわき水に頼って生活している。
県は本年度、各保健所を中心に安全な水の確保が困難な集落の調査を開始。市町村からの報告を元に、重点的に対策に取り組むモデル地区を4カ所選定。聞き取りや現地調査で現状把握に努めており、「鉄分の多い水で悩んでいるほかの地区でも応用できそうだ。長期的な運用に向けた課題を検証していきたい」(環境保全課)としている。
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