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下請け危機感 キヤノン一部生産移管の動き

[2009年12月16日 10:03]

一眼レフを含むデジタルカメラの生産を一部海外に移管している大分キヤノン=国東市

 大分キヤノン(国東市)で組み立てているデジタルカメラの一部機種が、台湾や中国など海外に生産移管されている。円高や新興国市場での販売拡大に伴う生産体制の見直しの一環。同社のカメラ製品の大部分を製造している大分キヤノン。下請け企業への発注に影響が出る可能性もあり、関係者は生産動向を見守っている。

 キヤノンによると、今年下期以降、台湾へ一眼レフの一部普及モデルを移管。コンパクトの廉価品の一部も量産工場である中国、マレーシアへと移した。台湾はフィルム式カメラの時代に生産した実績がある。製造機種や生産量は明らかにしていない。
 同社は「増産に対応するためで、生産移管は現段階ではごく少量。新興国での市場拡大などを踏まえ、今後も最適な生産の在り方を検討していく」と説明。大分キヤノンの位置付けについては「あくまで国内でのものづくりが基本。国内外生産拠点のマザー工場としての役割が一層重要になる」と強調した。
 2005年上期以降、同社の一眼レフの生産はすべて大分キヤノンに集約されていた。だが、兄弟工場となる長崎キヤノンが既に着工し、海外への生産移管に、組み立て作業を請け負う県内企業は危機感を抱く。
 ある経営者は「県内外からの新規参入で、来年は受注競争がさらに激しくなる。仕事が減って余剰人員が出ても、半導体や自動車関連の仕事で賄えるほど景気は回復していない」とキヤノンへの依存度は高い。
 立命館アジア太平洋大学の鈴木泰教授(金融論など)は「生産コストの増大につながる製造派遣禁止の論議もあり、安い労働力を求める海外での工場新設、生産移管も見られる。一方で、今後は米国経済の回復に伴い、来春には円高が緩和する可能性がある。大手企業は状況に応じて柔軟で機敏な生産体制の見直しを迫られる」と話した。

メモ
 キヤノンの2009年の販売台数2420万台のうち、一眼レフは新興国市場の伸びが堅調で、前年実績比10%増の420万台を見込む。だが、製品を輸出する際、円高が進むと為替差損が生じる。同社の場合、為替レートを1ドル=90円と想定し、1円の円高で販売額が年間44億円減るという。

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