
会見する矢幡欣治組合長(右から2人目)ら=10日午後、県庁
公正取引委員会から10日、排除措置命令を出された日田市の大分大山町農協(矢幡欣治組合長)。農協役員は県庁で会見を開き「認識の食い違いはあるが、命令を受け入れる方針」と説明した。一方、地元の生産者には動揺が広がっている。
「独禁法違反の意識はなかった。命令を受け止め、こんなことが二度と起こらないようにしたい」。矢幡組合長はこう切り出した。
ことし4月、農協の農産物直売所「木の花ガルテン」と数キロ離れた場所に競合店がオープン。両方の店舗に出荷登録した生産者を集め、矢羽田正豪専務理事が「向こうに出すなら、こっちは遠慮してほしい」と出荷先の選択を迫った。
農協の出荷登録者は約3400人。出荷制限の理由について「近場に同じ商品が並べば収入が落ちると思った。うちの出荷者は小規模農家が大半。彼らの生活のためにガルテンを守る責任感だった」と述べた。
終始、うつむき加減だった矢幡組合長。「『出すな』とは言ってないが、違反になった。複雑な気持ち」と明かした。不服申し立てや訴訟は考えていないという。正式な方針は役員会で決める。
日田市大山町内の生産者の反応はさまざま。梅干しなどを出荷する男性(65)は「農協の縛り付けに悩む人は多い。生産者の自由が認められて安心」と話した。一方、ワサビなどを出荷する女性(72)は「私のような小規模農家にとって、少量の生産物も受け入れる農協は欠かせない」と訴えた。
加工品と野菜を出荷する男性(55)は「独占的に販売することだけが特徴ある“店づくり”ではない。直売所を先駆的に立ち上げた農協だけに原点に戻り、誠実な対応と行動で期待に応えてほしい」と話した。
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