
高床式倉庫とみられる建物の礎石が見つかった長者屋敷官衙遺跡(2008年)
国の文化審議会(西原鈴子会長)は20日、中津市永添の長者屋敷官衙(かんが)遺跡を含む全国11件を国史跡に新規指定するよう、川端達夫文部科学大臣に答申した。指定されると、県内の国史跡は計39件、古代の役所関連遺跡としては初めてとなる。
長者屋敷官衙遺跡は、奈良時代から平安時代にかけての8~10世紀に、豊前国下毛郡(現在の中津市)を治めた郡役所が設けた「正倉(しょうそう)」と呼ばれる大型倉庫の跡。当時の先進技術とされる土台に礎石を用いて柱を立てた正倉(高床式)跡が九州で初めて確認された。
残存状況もよく、県教委文化課は「正倉の構造と変遷を知り、古代国家の支配体制を具体的に示す遺跡として貴重」としている。
指定を受ける遺跡は、溝と塀に囲まれていたとみられる約1・6ヘクタール。この中の南北120メートル、東西90メートルの長方形の区画内に、高床式を含む計12棟の倉庫跡を確認した。正倉には、郡内から税金として集めたコメを保管していたとみられ、これまでも大量の焼けたコメが見つかっている。
周辺に広がる遺跡全体の広さは今回の指定分を加え6・6ヘクタール程度。近くに当時の主要道だった官道が通っており、沿道からは豪族が建てた寺の跡が確認されるなど、遺跡周辺は郡の中心部だったとみられる。郡役所跡は見つかっていない。
中津市教委が1995年度と2008年度に、発掘調査をし、04年に市が史跡指定した。今後は史跡公園として整備する方針。
答申には、国史跡の横尾貝塚と大友氏遺跡(いずれも大分市)の追加分についても盛り込まれた。追加面積はそれぞれ755平方メートルと2771平方メートル。
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