
パネルディスカッションで意見を発表するパネリスト=13日、大分市のコンパルホール
「第3回焼き畑サミットin大分~よみがえる『農』と暮らしのかたち」が13日、大分市のコンパルホールであった。県内外の実践者や識者の講演、事例報告、討論を行い、伝統的な農業や暮らしの知恵を今の暮らしにどう生かすかを考えた。総合地球環境学研究所(京都市)の主催。
野本寛一近畿大学名誉教授が「九州山地の焼き畑民俗」と題して基調講演。「焼き畑は循環と再生を促す大切な営み。現代日本人は野や山の使い方をよほどしっかり考えないと、農村の再生はできない」と訴えた。
サンガ・ンゴイ・カザディ立命館アジア太平洋大学教授らが登壇して野焼きの現状を報告後、「大分発・いま再生される農と暮らしのかたち」を議題にしたパネルディスカッション。
国連大学高等研究所いしかわ・かなざわで活動するカナダ人、あん・まくどなるどさんは「個性的な文化や風土が根付いた日本の里山や“里海”の魅力を、もっと知ってほしい」、宇根豊・農と自然の研究所代表理事は「農の価値は本来、経済や科学だけで表現できない。農家も自然と向き合う営みの素晴らしさを語る必要がある」と強調した。
山浦陽一大分大学准教授は「交通の不便と過疎・高齢化から、中山間地では“買い物難民”が増えている」と、厳しい現状を説明。一方で、便利さを追求し続ける現代の価値観に疑問を投げ掛ける声も。
笠松浩樹島根県中山間地域研究センター主任研究員は「農村は少し不便でも、自給・自立した暮らしに幸福を実感できる」と主張。森下幸生県農林水産部審議監は「農業は近代化に伴って分業化が進み、農が持つ本来の楽しさや地域のきずなが希薄化している面もある」と話した。
コメンテーターの羽野忠大分大学長や進行役の神足博美大分合同新聞社取締役編集局長が「中山間地の再生にもつながる農の再生を考えることは、低炭素社会の実現にもつながっていくはずだ」と締めくくった。
<ポイント>
総合地球環境学研究所
2001年に設立。地球環境問題の解決に向けて総合的な研究に取り組む。07年から全国各地で焼き畑サミットを始めた。
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