
認知症の高齢者と店員を演じ、適切な対応について学んだ=11日、県庁
国は2015年に大分県内の認知症高齢者が3万人を超えると推計、認知症に対する社会の正しい理解とサポート体制の充実が欠かせない状況になっている。そんな中、企業向けの認知症サポート研修が県内で初めて開かれるなど、新たな試みが始まっている。
今月11日、県主催の認知症サポート研修が県庁であり、百貨店、スーパー、金融業、ホテルの従業員ら約40人が参加した。
講師はイオングループ(本社・千葉県)環境社会貢献部の塚田公香さん。同社は2007年から認知症を理解するための社内研修会を実施。スーパーなどでトラブルになった事例を従業員から集めて適切な現場対応を学んでおり「レジでの支払い時に混乱したり、買い物中に行方不明になるなど、認知症が原因と思われる出来事は多い」という。
事例検討では「食品売り場で突然、商品の袋を開けて菓子を食べ始めたお年寄りに、どう対応すればいいか」をテーマに取り上げ、参加者が店員と認知症高齢者の役を演じながら接し方を探った。
「『何してるんですか!』と突然、怒鳴るのではなく、『お茶でも飲みませんか』と優しく声を掛け、移動を促すのが良い対応」と塚田さん。さらに「同じ高さの目線で話し、自尊心を傷つけない声掛けが大事。対応が困難な場合は地域包括支援センターなど専門機関につなぐことも考えてほしい」とアドバイスした。
参加したトキハ本店お客様サービス課の山田裕也課長は「行方不明事例などは実際にあり、今後も増えるだろう。適切な接客のために認知症の特徴を学ぶことは重要」と感想。
県高齢者福祉課は「認知症高齢者への対応は、福祉関係者だけで解決できる問題ではない。高齢者の生活にかかわるさまざまな企業の応援が必要」と話した。
認知症サポーター養成研修は、事業所単位でも開催することができる。各市町村または、県の高齢者福祉課が窓口となる。
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