
黒木記念病院が作成した基本計画書、行動計画書の一部
別府市照波園町の黒木記念病院(黒木健次理事長)は、大規模災害に備えて事業継続計画(BCP)の策定を進めている。大地震で医療機器が被害を受けたり多数の職員が出勤できないといった場合にも、病院機能の維持や速やかな復旧ができるよう対応策を定めるもので、新型インフルエンザが大流行してマンパワーが不足した場合にも応用できる。医療機関としては県内初の取り組みという。
同病院には内科、外科など11科・226床がある。「地域の中核病院として、災害時も医療サービスの提供が求められる。住民の信頼を得るためにもBCP策定の意義は大きい」と昨秋、院内各部署約20人で策定委員会を発足。コンサルティング会社の助言を受け、医師ら専門スタッフの意見を基に今年8月、基本方針と行動計画書をまとめた。
行動計画では、県の被害想定に基づき、別府市を貫く断層帯を震源とする直下型地震(最大震度7)を想定。▽発生時間は外来患者も多い午前中▽病院は3時間停電し、上水道やガスは3日間の供給停止▽発生当日は医師の50%、看護師の45%しか出勤できない―などの設定で計画を立てた。
通常1~2日かかる復旧作業を半日に短縮できるよう、耐震補強やトリアージ訓練、パソコンの代替手段など事前対策をリストアップ。災害対策本部の設置で役割分担を明確化した。避難誘導や負傷者の救護などとは別に、(1)災害発生から2時間以内に与薬や検査実施(2)6時間以内に食事や排せつの介助に取り掛かる―など通常業務に優先順位を付けた。
ライフラインが途絶えても使える医療機器の購入など、費用負担の大きいものは検討課題とした。3年以内に計画内容の拡充を図り、随時、点検・評価や見直しをしていくという。
策定委員長を務めた丸山洋一郎事務次長は「医療現場はスタッフ一人一人の知識や技術に頼っている部分が大きく、各部署が連携して優先業務を調整することが大切。BCP策定を通して、あらためて事前対策の必要性を実感した」と話している。
<ポイント> BCP
ビジネス・コンティニュイティー・プランの略。通常の防災計画とは異なり、限られた態勢や資源の中で、重要業務の維持や事業の早期回復を目指す計画。業務停止による経営ダメージを最小限に抑えるため、大企業を中心に策定が進んでいる。医療機関では、業務内容の多様さや意識の低さなどから、全国的に策定が遅れているという。
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