
既に統合された旧九石労組の看板と田中博文・新日本石油労働組合大分支部書記長
社会貢献によって九州石油の名前を後世に残そう―旧九州石油労働組合は経済的な理由によって就学が困難な高校生を支援するため「大分合同福祉事業団、九州石油労組・ストーク奨学金」を設立した。来年度から交付を始める。
九州石油は昨年10月、新日本石油と経営統合。労組も今年8月19日付で一本化された。これに伴い、「九州石油」の社名、労組名が消えた。
旧労組は組合活動によって不利益を受けた組合員を救援するための基金を約40年間、積み立てていた。本来は組合活動に使う積立金だが、OBを含めた組合員は「困っている高校生に手を差し伸べるのは労働運動の一環」と判断。統合後も九州石油の名前を残す事業として、3千万円を大分合同福祉事業団に寄付し、奨学金を設立した。
県内の高校出身の組合員が多かったことから、地域に恩返しする意味を込め、支給は県内の高校・高専の入学生を対象とすることに。入学金や教材の購入などで物入りとなる入学時に20万円を一括して贈ることにした。奨学金は貸し付けではなく、贈与。支給人数は毎年15人ほどで、選考委員会で決める。当面は10年間、続ける方針だ。
旧労組の中央書記長で、現在「新日本石油労働組合大分支部」書記長を務める田中博文さん(38)は「学びたい人に学んでもらう」との思いを込めたという。「政権交代によって、高校生へのさまざまな援助が予定されているようだが、社会保障では支援できない部分に奨学金を活用してもらいたい。所得格差が教育格差につながらないよう役に立ちたい」と話している。
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