
事故死したとみられるアライグマ=由布市庄内町渕
全国各地で野生化したアライグマによる農業被害が問題となっている。県内では、昨年度まで野生化したアライグマは確認されておらず、県は西部地域での“水際対策”に力を入れてきた。ところが、今夏以降、臼杵市と由布市の道路で見つかったアライグマの死骸(しがい)は、ペットが野生化して繁殖した可能性があることが分かり、県は警戒を強めている。
県によると、死骸は8月3日、臼杵市岳谷の山あいを通る県道臼杵坂ノ市線で見つかった。2匹目は今月16日、由布市庄内町渕の農業地域の市道。いずれも車にひかれたとみている。
県景観自然室は「周辺の状況などから、ペットとして飼われていたものが逃げたり、飼い主が捨てたりして野生化し、自然繁殖した可能性がある」と話す。
アライグマは北米原産で、ペットなどとして国内に持ち込まれた。1962年、野生化して繁殖しているのが愛知県で初めて確認された。以後、全国で増えている。
雑食性で、北海道では2007年、トウモロコシやメロンなどが食い荒らされ、3688万円の被害を受けた。一方、捕獲数も約2300匹に上った。近年は兵庫、神奈川両県などでも多数捕獲されている。
九州では、長崎や佐賀、福岡各県で野生化が確認されており、スイカや果樹などが被害を受けている。
県は県民にアライグマの情報提供を呼び掛ける一方、西部地域からの侵入を警戒して、昨年は日田市で行政担当者を交えた被害防止対策会議を開催。本年度は同市内のナシ園の近くなどに5台の監視カメラを設置。現在、監視カメラの画像分析を進めている。
県は「これまでイノシシやタヌキによる農業被害と考えていたものが、実はアライグマの食害だったという可能性もある。分析や調査結果に基づいて対策を考えたい」と話している。
<ポイント>
アライグマ 北米原産の哺乳(ほにゅう)類。タヌキに似ており、しま模様の尾が特徴。日本には天敵のピューマがいない上、繁殖力が強いため生息エリアを拡大している。生態系や農業被害を及ぼす恐れのある「特定外来生物」に指定(2005年)されており、輸入やペットとしての飼育が原則禁止されている。
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