
姫島村の海岸線で見つかったアケボノゾウの足跡化石と、確認する郷土史研究家の木野村孝一さん=20日午後、姫島村の丸石鼻
姫島村にある丸石鼻の海岸線の地層から足跡化石が見つかった。地層の年代から約250万~100万年前に生息していた「アケボノゾウ」だとみられている。九州では長崎県で歯の化石が出ており、旧安心院町でミエゾウの発掘調査をした滋賀県立琵琶湖博物館の高橋啓一総括学芸員(52)は「アケボノゾウであれば足跡が見つかるのは九州で初めて」としている。
足跡は化石や地質の調査で姫島村を訪れた京都大学大学院博士課程の北川博道さん(26)が9月30日、同村の郷土史研究家、木野村孝一さん(63)の案内で海岸線を歩いていた時、砂や石に埋もれかけた状態で偶然見つけた。
足跡は約10個。そのうち3個は縦40センチ、横25~30センチ、深さ5センチほどであるのが鮮明に確認できるという。海に面した山の斜面にあり、潮が引いて干潮になった時にだけ分かる。
アケボノゾウは現在のアフリカゾウなどが属する「ゾウ科」とは別の「ステゴドン科」に属する日本固有種。
北川さんは「同村で過去にアケボノゾウの歯が見つかっていることや、丸石鼻層の年代から判断してアケボノゾウの可能性が高い」としている。木野村さんは「丸石鼻層は200万年前ごろの地層という説がある」としている。
同村の離島センター「やはず」には、ナウマンゾウ(約30万~2万年)や、シガゾウ(約100万~70万年)の化石も保管されており、高橋総括学芸員は「姫島という狭い場所で年代の違う複数のゾウがいた形跡が見つかることは全国的に珍しい」という。
木野村さんは「黒曜石を含め姫島は地質学的にとても恵まれた地域ということがあらためて確認できた。教育や観光などさまざまな面で活用したい」と発見に大きな期待を寄せている。
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