豊後水道が目の前に広がる佐伯市は魚介類の宝庫、新鮮な食材を生かしたすし店も多く、うまさも格別。そうした佐伯寿司(すし)を「世界一」として売り出してから、10年目に入った。昨年の東九州自動車道の開通以来、同市を訪れる観光客は急増しており、すしをはじめとした豊かな“海の幸”目当ても多い。「世界一、佐伯寿司」誕生のいきさつと歩み、今後の展開―などを聞いた。【本社ホームページ(www.oita-press.co.jp)の動画もご覧ください。】
経済産業省のJAPANブランド育成支援事業に採択され、2007年度から佐伯商工会議所(谷川憲一会頭)が取り組んでいる。
07年12月には、「錦寿司」経営の岩佐洋志さん(60)と「寿司源」経営の福永守さん(69)が中東・アラブ首長国連邦のドバイに出向き、佐伯寿司を振る舞った。
非常に好評だったので、08年11月には同じドバイで試食商談会を開き、すし店の出店が決まった。09年3月にはオープンする予定だったが、世界同時不況の影響で、出店できず先送りされている。出店は、ドバイのほか東南アジアのマカオなどでも検討中。一方、プロジェクトでは、08年度から新商品開発にも取り組んでおり、岩佐さん、福永さんらメンバーが「浅〆(あさじ)め鯖(さば)寿司」を開発し、売り出し中。
2年目のことしは今月、新商品開発打ち合わせ会議を開いた。テーマはカンパチやヒラメの薫製などを使ったもので、28日に試食会を開く。完成すれば新たな新商品として売り出す。
【リーダーの声】
料理を工夫し努力
当初からかかわり、海外展開プロジェクトのメンバーでもある県鮨商組合の岩佐洋志理事長
最初は地域のためになるのならと、みんなで佐伯寿司の売り込みを始めた。魚種が豊富で(各店とも自分たちのすしに)自信を持っていた。世界一でマスコミにも取り上げられるようになり有名になった。組合員も変な風に言われないように会議を開き、料理を工夫、努力してきた。
地元の人にもっと
県鮨商組合佐伯支部の戸高秀俊組合長(亀八寿司)。
組合員は10店。県内の3分の1を占める。東九州自動車道の開通以来、土、日曜や祝日は客がいっぱい。豊後水道はリアス式海岸で身が引き締まったネタが出せる。新鮮なものが喜ばれている。市外からの客だけでなく地元佐伯の人にも、もっと食べてもらい、誇りに思われるすしを作りたい。
目指す“きっかけは”… 「小樽よりうまい!」
2000年4月、佐伯商工会議所は地域振興活性化事業「世界一・佐伯寿司」プロジェクトを3カ年で取り組むことを打ち上げた。
5月には、JRとタイアップして“世界一”を初めて外部にアピールした「すし列車」を成功させた。11月には「世界一・佐伯寿司サミット」を開き、話題になった。マスコミにも取り上げられるようになり、テレビ番組「日本一対決!北の小樽、南の佐伯」などにも出演。02年2月には「世界一・佐伯寿司&うまいもんサミット」も開いた。当時、同会議所の専務理事だった宮本孝義さん(81)に聞いた。
小樽で全国の商工会議所の会頭会議があり、“すし通”だった当時の出納(すいどう)一(はじめ)会頭が出席。帰ってくると「小樽のすしが日本一と言っているので食べてきたが、佐伯のすしの方がうまい。向こうが日本一ならこちらは世界一で売り出したらどうか」と言い出した。すしの組合は国内にあっても世界にはないので、世界一を名乗っても文句は出ないだろうと、すし組合(県鮨(すし)商組合佐伯支部)の組合長だった岩佐洋志さんに持ち掛けた。岩佐さんは即座に賛同してくれた。
小樽の会議所に連絡したら、北海道と九州は離れているので問題はないとの返答(その後、小樽の特産品の売り込みに協力)。通産省(当時)にも出向いて説明、この「世界一」企画で地域振興活性化事業が認められた。当時の平松守彦知事も“面白い”と協力してくれたという。
[PR]セントラル短資FX
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA