
大分タキで研修を受けたタイの青年が設立した車いすの販売店。大分タキの看板も掲げられている(左上の青色の車いすマーク)
車いすの製造販売業「大分タキ」の会長を務める上野茂さん(76)=別府市=は、アジアの障害者を支援しようと、車いす作りの技術指導に取り組んでもうすぐ20年になる。障害がある研修生を会社に受け入れて指導する一方、ラオスなどでは車いすの製作工房づくりにも尽力。母国に戻った弟子たちが会社を設立して障害者の雇用にも貢献し始め、上野さんのまいた“種”が花を咲かせ始めた。
上野さんは、脊髄(せきずい)炎のため、20代で車いすの生活になった。アジアへの支援活動は、「障害者の雇用創出に尽力した太陽の家の創設者、中村裕博士(故人)に影響を受けて始めた」という。
太陽の家などで働いた後、1990年に大分タキを設立した。以来、中国や韓国、ミャンマー、カンボジア、フィリピンなどから障害がある研修生を受け入れ、製造の技術、部品調達などを指導。国際協力機構(JICA)などと協力し、マレーシアやラオスなどに車いす工房を設立する取り組みにも力を注いだ。
社長を退いて会長になった2002年からは、年に4、5回、自費でアジア各地を訪問。かつては車いすバスケットボールの選手だったことから、身体障害者のスポーツを普及させようと、車いすバスケットボールと競技用の車いす作りも指導している。
ラオスで開催される車いすバスケットボール界では初めてという国際親善試合(11月)や、福祉機器展(来春)にも企画段階から協力している。
タイの元研修生がバスケットボールチームを引き連れて参加を予定。福祉機器展にも韓国、タイ、ラオスの弟子たちが出展を申し出ていて、励みになっている。
上野さんは「元研修生たちが事業を軌道に乗せ、障害者の雇用を拡大している。こんなにうれしいことはない。アジアには福祉施策が遅れた国がある。彼らには、そのような国々の支援にも力を注いでほしい」と期待している。
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