大分県議会の多くの議員が10月下旬から11月中旬に海外視察(海外調査)を計画している。当初案では中国、欧州、米国の3グループで計25人。海外視察は「観光旅行と大差ない」との批判もあり、県議会は目的の明確化など在り方を見直した。ただ、他県には財政状況を考慮して休止している議会もあり、景気悪化の中で視察自体の是非や成果を県政に十分還元できるかが問われそうだ。
県議会の海外視察は議会内で「任期中に1人2回まで。予算合計は100万円以内」と申し合わせている。
今回の視察は9月定例議会で賛成多数で可決した。3グループは▽中国 自民党6人、県民クラブ1人、無所属の会2人▽英国・フランス 自民党9人▽米国 県民クラブ8人。公明党(3人)と共産党(1人)はいずれにも参加しない。
肝心の県が支出する費用だが、最終的な参加人数や行程が確定していないため「総額の概算も未定」(県議会事務局)。取りやめる方向で検討中の議員も数人いるという。
県外、海外視察は全会派の委員でつくる政策・研究協議会(渕健児会長)で4月から是非も含めて議論。海外視察は容認する一方で▽視察先で必ず現地の関係者と意見交換する▽観光地をただ見るだけのようなことはしない―といった原則を定めた。
これまで会派や個人で企画していたが、今回は協議会で複数のテーマに沿った案を全議員に提示して参加を募った。渕氏は「経済、環境など県民生活に影響する国際的課題がある中、批判があるからやめるのではなく、費用対効果が明確になるよう努力する方が大切と判断した」と説明する。
議会内には「きちんと勉強することは必要」(自民党の古手川茂樹氏)「極力誤解を招かないよう見直している」(県民クラブの内田淳一氏)と理解を求める声の一方で、「県民の生活実感からすれば批判されても仕方ない」(公明党の竹中万寿夫氏)「見聞を広めることは大切だが、時期的に問題」(共産党の堤栄三氏)と異論も根強い。
<ポイント>
【県議会の海外視察】 九州では佐賀、熊本、宮崎、鹿児島などの県議会が休止、自粛している。佐賀と鹿児島は2007年度からの今任期中は「県の財政状況が極めて厳しい」などとして休止を申し合わせている。大分県議会では今任期中、昨年1月に自民党の5人が中国・上海を視察している。
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