県内では今年、台風の接近・上陸が1回もないまま、“台風シーズン”の9月が終わる。近年は台風の接近・上陸が少ない傾向にあるが、現在、南太平洋上で相次いで発生しており、過去には10月に発生した台風もある。大分地方気象台は「この後も引き続き、少ないとは限らない」と話している。
同気象台によると、29日現在で計18個の台風が発生。沖縄地方などを除く本土に上陸した台風はなく、接近したのも2個。県内を含む九州北部は、2008年10月以来、台風の接近がない。2000年以降で、九州北部に最も多くの台風が接近(上陸を含む)したのは04年の9個。一方、01年はゼロだった。
台風の接近や上陸がない理由について、同気象台は「偶然にすぎない」という。例年、暑い夏を演出する太平洋高気圧は9月以降に日本列島の東海上に後退する。台風は太平洋高気圧に沿うように北上するため、日本への上陸や接近が増える。「だが今年は太平洋高気圧が弱く、台風が北上しても偏西風の影響で、日本に接近する前で東に流された」と説明。
ペルー沖の海水温が高くなる「エルニーニョ現象」が発生していることも、台風の発生が少ない原因の一つと考えられるという。
しかし、いったん台風が接近・上陸すれば、大きな被害をもたらす恐れがある。8月中旬に本州南海上を北上した台風9号は兵庫県に豪雨被害をもたらし、多数の死者を出した。
県内でも台風からの湿った空気が流れ込んだ影響で前線が活発化。竹田市で8月としては過去最高の1時間に77ミリの激しい雨を記録し、13人が巻き込まれる土砂崩れを引き起こした。
大分地方気象台は「過去も10月以降に接近・上陸した台風はある。台風情報には十分注意してほしい」と話している。
<ポイント>
台風の上陸・接近 台風の中心が本土の海岸線に達した場合は「上陸」とされ、中心が各地の気象台や測候所などから300キロ以内に入った場合は「接近」。小さい島や半島を横切り、短時間で再び海に出る場合は「通過」と呼ぶ。日本気象協会によると、1951年以降の台風発生数は年平均26・7個。月別で最多は8月の5・5個、次いで9月の5・1個。10月も3・9個発生している。
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