
草を食べる繁殖牛。景気後退などで牛肉の消費が低迷し、県内市場の子牛価格が落ち込んでいる
県内家畜市場での子牛価格の長期低迷が畜産農家を苦しめている。昨秋以降の急速な景気後退による、牛肉消費量の伸び悩みが一因。昨年は原油高騰などに伴う飼料コストの増加で打撃を受けており、「このままでは経営を続けられない」と危機感を募らせる。関係者は14日、大分市で500人規模の危機突破集会を開き消費拡大を訴える。
JA全農県本部の市場速報によると、子牛価格は2007年9月以降、24カ月連続の前年割れ。7月の子牛1頭の平均価格は29万8千円と、前年比で12・6%下落した。「1頭30万円を割り込む事態は近年記憶にない。BSEショックがあった01年度以来だろう」(県畜産振興課)という。
07年度は各月とも1頭当たり44~50万円代の高値を記録していた。だが、原油高が深刻化した08年6月には30万円代に落ち込み、以来上向く気配はない。
繁殖農家から子牛を購入する肥育農家も苦しい。杵築市の亀井精一さん(65)は「買った子牛は約20カ月間育てて出荷する。出荷時期を迎えた肥育牛は、購入時は高値で買った。いまは売値が安いので逆ざやになるケースもある。実際、購入代金や餌代で95万円掛かった牛が、70万円でしか売れないこともあった。短期で回復したBSE問題より深刻」と肩を落とす。
全農県本部畜産課は「家計は財布のひもが固くなり、食費を抑えている。量販店も精肉の特売を打つなど工夫しているが、売れ行きはさえない。卸売り段階の在庫も増えているようだ」と、消費回復の兆しが見えない現状を説明した。
県は繁殖農家の母牛導入費などを支援する緊急対策案を9月の定例県議会に提案している。畜産振興課は「豊後牛が当たる消費拡大キャンペーンを実施するなど、地道な販促活動を続けていく」と話した。
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