大分県内は民主、社民両党の野党側が3小選挙区すべてを制した。自民党は2、3区の前職を含めて全敗、1955年の結党以来初めて県内の選挙区で議席を失い、「政権交代」を象徴する歴史的な結果になった。県政界の構図は大きく変化した。1区は民主党前職の吉良州司氏が自民党新人の穴見陽一氏に約6万票の大差をつけて3選を果たした。2区は社民党前職(比例九州)の重野安正氏が自民党前職の衛藤征士郎氏を接戦の末、約5千票差で破り、4回目の挑戦で初めて選挙区の議席を獲得した。3区は民主党前職(比例九州)の横光克彦氏が自民党前職の岩屋毅氏に約8千票の差をつけて、小選挙区での対決を3回目で初めて制した。選挙区で敗れた自民党の衛藤氏と岩屋氏は比例代表で復活当選した。
1区
吉良氏は2003年の県知事選以来培ってきたボランティアの支持者らが今回もフル回転。推薦する連合大分の加盟労組も組織票をまとめ、全国的な党への追い風も味方に付けて大幅に得票を伸ばした。集会や街頭演説では党の政策の説明を徹底し、社民党支持層や無党派層に加え、保守層にも浸透。終盤まで陣営が緩むことなく戦い抜いた。
新人の穴見氏は最後まで知名度不足に苦しみ、党への逆風も追い打ちをかけた。党の市議と県議の動きに濃淡があり、一枚岩になれなかった。ミニ集会で地域の保守層や党の友好団体への浸透を図ったがまとめきれなかった。推薦した公明党、出身企業を母体とする組織のほか、同級生グループが懸命に動いたが及ばなかった。山下氏は雇用問題などを訴えて若者票を取り込もうとしたが伸び悩んだ。高畑氏は支持組織の外に浸透できなかった。
2区
重野氏は「党幹事長として負けられない選挙」と位置付け、党と県平和運動センターが組織票を着実に固めた。連合大分傘下の民間労組や、国民新党を支持する郵政関係団体も活発に動いた。候補擁立を見送った共産党の支持層、さらに選挙協力した民主党への追い風を生かして保守層や無党派層の取り込みにも成功。衛藤氏に水をあけられてきた日田、佐伯両市でも得票を伸ばした。
衛藤氏は党支部や後援会、支援企業・団体を柱に保守地盤を固める従来型の組織選挙を展開したが、地方議員の減少などによる党組織の弱体化と党への逆風に苦しみ、十分機能しなかった。重野氏を意識して社民党や労働組合への批判を強め、懸命に保守層を取り戻そうとしたが及ばず、9回目の出馬で初めて苦杯をなめた。
永岡氏は人口増加策などの訴えが浸透しなかった。
3区
横光氏が現行選挙区で初めて、ライバル岩屋氏との決戦を制した。横光氏は「政権交代」を主張の前面に打ち出し、民主党への追い風を受けて序盤からのリードを守った。党、後援会、社民党、連合大分傘下の労働組合を中心に選挙戦を展開。無党派層にも浸透し、地元宇佐市や中津市で先行。過去2回、約1万票差をつけられた岩屋氏の地元、大票田の別府市で接戦に持ち込み、保守地盤の国東市でも逆転した。
岩屋氏は党組織と後援会を軸に、公明党の支援を受けて選挙戦に突入。景気対策の実績や党改革への意気込みを訴えたが、党に対する強い逆風で序盤から苦しい戦いが続いた。終盤には麻生太郎首相ら閣僚級の来援などで、離れた保守票を懸命に取り込もうとしたが及ばなかった。
利光氏は消費税廃止などを訴えたが、票が伸びなかった。
県内小選挙区開票結果
1区
当 14万1665票 ☆吉良州司 民前
◎8万 855票 ☆穴見陽一 自新
1万4821票 ☆山下魁 共新
2983票 高畑タヨ子 諸新
投票総数 244,621 投票率 67.57%
有効票 240,324 無効票 4,297
2区
当 11万2090票☆ 重野安正 社前
比例当 ◎10万7124票☆ 衛藤征士郎 自前
4574票 永岡悦子 諸新
投票総数 228,850 投票率 74.52%
有効票 223,788 無効票 5,062
3区
当 12万1031票 ☆横光克彦 民前
比例当 ◎11万2602票 ☆岩屋毅 自前
3489票 利光哲也 諸新
投票総数 241,038 投票率 74.79%
有効票 237,122 無効票 3,916
(注)☆印は比例代表との重複立候補。◎印は法定得票数(有効投票総数の6分の1)に達した者
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