
智恵美人の瓶を持つ原料米生産者の佐藤寿さん(左)、杜氏の小野東一さん。後ろには佐藤さんが育てている五百万石の田が広がる
杵築市の中野酒造(中野勢三社長)は、ことしから看板商品の清酒「智恵美人」の原料米をすべて地元産にする。同市山香町の契約農家が育てる酒造好適米「五百万石」を使い、「地産地消のおいしい酒にしたい」と張り切っている。
智恵美人は創業時(1874年)からある商品で、初代のおかみの名前から付けられた。昨年から山香産の米を使うようになり、ことしから契約農家が育てた米だけで造ることにした。敷地内からわき出す天然水で仕込む。
中野淳之専務(29)は「商品名もラベルも変えないが、中身はすべて杵築産に変わる。地元の原料にこだわることで、地元の風土や食材に合う、土地ならではの酒になる」と力を込める。
杜氏(とうじ)の小野東一さん(61)は「山香の米を使うと、口当たりが柔らかくなり、味に膨らみが出る。米本来の甘みを楽しめる酒になる」と話す。「ことしの仕込みは11月から。今から楽しみです」。
五百万石は東北や北陸など、名酒の産地で多く栽培されている品種。イネの背丈が高くなり、米粒が大きいのが特徴。同市山香町野原の農事組合法人「こめ・こめ・くらぶ」(吉岡康二代表、5人)がことしから育てている。5月末の田植えには、酒造の社員も総出で参加した。
生産者の一人佐藤寿さん(53)は「農家と酒造会社との距離が近いので、お互いにやる気が出る。食の安全が求められる中、消費者に安心して飲んでもらえる酒になる」と期待している。
ことしの新酒は年末から、県内の酒店などで販売される。
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