
高強度鋼板で造られた大型コンテナ船(新日鉄大分製鉄所提供)
新日本製鉄大分製鉄所(大分市、藤野伸司所長)が大型コンテナ船用の高強度鋼板を開発・実用化し、経済産業省の「第3回ものづくり日本大賞」で優秀賞を受賞した。鋼板を厚くせずに強度と溶接の作業性向上で船体の軽量化を図り、安全性や燃費を改善。大型化が進むコンテナ船の性能向上を世界に先駆けて実現したことが評価された。
コンテナ船は1995年以降、幅の狭いパナマ運河を通過しない船体が数多く造られるようになり、大型化が進んだ。積載量は最大でコンテナ4千~5千個分だったのが、近年は1万個分に達する大型船も登場。安全性確保のため、厚さが8センチを超える鋼板が使用され、重量増が課題となっていた。
大分製鉄所は三菱重工業などと協力し、2000年から環境負荷が少なく、経済性に優れた大型コンテナ船の開発に着手。厚くなくても強度の高い鋼板づくりに取り組んだ。厚板の製造工程での成分調整や、通常より低い加熱温度で強力な圧延処理を施すなど工夫を重ね、厚さ7センチ以内で大型化に対応できる技術を確立した。
07年に商船三井から受注した大型船は新鋼板を使い、コンテナ8110個を積載。さらに大きな船も受注している。輸送効率は3%向上させることができ、二酸化炭素(CO2)の排出削減量は1隻当たり年間5000トン程度という。
大分製鉄所厚板管理グループは「特許出願や論文発表は数十件に上る。日本の造船業界の技術向上、ビジネスチャンス拡大への貢献が評価され、非常にうれしい」と話している。
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