
ボンネットバスの運転手の先の窓から昭和の雰囲気あふれる町並みが広がる
「発車オーライ」。紺色の“制服”に身を包んだバスガイドの声が車内に響き渡る。豊後高田市・昭和の町で走り始めた昭和30年代のボンネットバス。座席いっぱいの27人の乗客を乗せたバスは力強いエンジン音を鳴らし、約15分間のタイムスリップ旅行にゆっくりと動き始めた。
エンジン音が「ブルルル」と響く中、バスガイドを務める西佐知子さん(37)が大分弁を交えて軽快に話し始めた。「穴は開き、サビだらけ、ボディーはボロボロ。そんなバスが見事、当時の姿へとよみがえったのであります。えらしいバスよな」―。
20代の時、県内で本物のバスガイドを務めた経験もある。約2カ月前に昭和の町で案内人を始めた。「お客さんに懐かしんでもらえたらうれしい」と張り切る。
桂川に架かる御玉橋を渡り、バスは玉津商店街へ。運転手が大きなハンドルをしっかりと回し、細い道を進む。再び川を渡ると昭和の町へ。車と擦れ違うのも一苦労。その姿に観光客も足を止め、カメラを向けた。
バスは1957(昭和32)年製。冷房はないが車内には風が流れ意外に涼しい。木製の床に、青い昔ながらの小さなシート。運転手の奥田貞久さん(65)は「ハンドルも重たいし、今のバスとは違いますね」。
奥田さんは市内の路線バス運転手としてバス会社に入社後、当時まだ走っていたボンネットバスを1年ほど運転していた。「昔を思い出して懐かしい。またボンネットバスに乗り込むとは思わなかった」と胸を弾ませてハンドルを握っている。
バスは市内の観光周遊を目的に、市が購入した。土、日曜日など休日に市内各地での運行を予定。昭和の町には懐かしい光景が広がっている。
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市観光協会は31日まで、バスの愛称を募集している。バスの運行は「昭和の町」のほか、予約制で「海辺満喫コース」「六郷満山コース」などの運行も予定している。問い合わせは市観光協会(TEL0978・22・3100)へ。
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