
農業生産法人を設立して白ネギ栽培に取り組んでいる大丸建設。会社敷地内の車庫は白ネギ出荷の作業場に造り替えた=竹田市
経営環境の悪化などを受け、新事業や新分野へ乗り出す県内企業が増えている。大銀経済経営研究所の調査では、新規事業に取り組んでいる企業の割合は42・0%で、1998年の前回調査(16・0%)に比べ2・6倍に増加。多くは本業のノウハウが生かせる業務範囲で新規事業に取り組んでいるが、建設業では異業種の農林水産業に乗り出す割合が高くなっている。
3月時点で県内1200社にアンケートを送り、250社が回答。「過去10年で取り組んだことがある」(5・6%)と答えた企業を合わせると半数に迫る47・6%が新規事業に挑戦していた。既存市場が成熟したり縮小して競争が激化する一方、99年に施行された中小企業新事業活動促進法など公的支援の充実も背景にあるとみられる。
建設業の新規事業のうち、26・9%は農林水産業への参入。土木技術や機械などの経営資源を活用できる上、県も積極的に支援。また「既存事業の将来不安」を抱く企業が53・8%と高く、建設以外の事業に活路を見いだそうとする姿がうかがえる。
竹田市の大丸建設(工藤一勝社長)は2007年に農業生産法人「中九州ファーム」を設立し、白ネギ栽培に乗り出した。公共工事の減少で売上高がピーク時の3分の1にまで落ち込み、新規事業を決断したという。農業での売り上げは建設業の2割程度で、「1年や2年で利益は出ないが、3年目のことしはいい結果を出したい」と同社。
調査では、新規事業の成否について「成功」が38・7%、「失敗・撤退」が9・2%、「まだ言えない」が47・9%。苦労した点のトップは、成功した企業では「人材の確保・育成」の52・2%、失敗した企業では「販売ルートや顧客の開拓」の81・8%。人材や販路確保が成否を分ける鍵といえそうだ。
川野恭輔主席研究員は「今後は成長市場の医療・福祉・健康サービスや環境・エネルギー、農林水産業関連への展開が活発化すると見込まれる。地場企業の業績向上につながることを期待したい」と話している。
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