日田市の大分大山町農協(矢幡欣治組合長)が、組合員に出荷先の選択を迫り活動を不当に制限したとして、独占禁止法違反(不公正な取引方法など)の疑いで28日、公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。この問題に対し「自由な競争が阻害されている」と批判の声が上がる一方、「地域ブランドを守るためには、やむを得ないのでは」と理解を示す人もいて、周囲の反応は分かれた。
30代の女性組合員は3月下旬、木の花ガルテン(同市大山町)から約5キロ離れた競合店の「日田天領水の里・元氣の駅」から、「農産物を出荷してほしい」と依頼された。しかし、4月上旬、同農協職員に「どちらか一つに決めてほしい」と迫られ、「元氣の駅」への出荷は断念した。女性は「農協には父の代から世話になっているが、収入を増やすために元氣の駅にも出したかった」と明かす。
同農協木の花ガルテン部会長の江藤剛第1理事は「他店に出荷されては困る。(元氣の駅との)競合で売り上げが約25%落ちる」と危機感を募らせる。さらに「他店に出荷され、大山の産物がどこでも購入できるようになると、約20年かけて築いた大山のブランドが消えてしまう」と訴える。
これまでのJA大分中央会の調査に対し、大山町農協は「組合員に出荷制限はしていない」と答えているという。同中央会、県団体指導・金融課は「公取委の調査結果を見て適切に対応する」としている。
立ち入り検査は約7時間に及び、公取委は理事会の議事録や木の花ガルテンの帳簿などを押収した。矢幡組合長は検査について「調査段階なので何も言えない」とコメントを出すにとどまった。
<ポイント>
大分大山町農協 1949年に設立。61年に「梅栗植えてハワイに行こう」のキャッチフレーズで、地域おこしの運動を提唱。「一村一品運動」のモデルにもなった。90年に直売所「木の花ガルテン」をオープン。現在は大分、福岡両県に7店舗を展開。2008年度の売上高は約55億7千万円。組合員数は879人。
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