気をもみながら梅雨空を見上げた。国内では46年ぶりとなった22日の皆既日食。不安定な天候状態が続いた県内では時折、薄雲を通して日光が差し込み、地域によっては太陽の約90%が欠ける部分日食が観測された。夏休みの研究課題に取り上げた子どもたちや、観察会に集まった県民らは「くっきり見えた」「また雲に隠れた」。気まぐれな天体ショーに一喜一憂した。
県内での部分日食は2007年3月以来。観察会を開いた大分市佐賀関の関崎海星館には「世紀の一瞬」を一目見ようと約600人が押し寄せた。
食が始まる午前9時39分。太陽は雲に覆われて姿が見えなかったが、次第に天気は回復。大分市久原の佐藤美沙樹さん(11)=坂ノ市小6年=は「欠けた太陽がはっきり見えた。不思議な感じがした」。
豊後大野市犬飼町黒松の「三ノ岳・犬飼星の見える天文台」では、NPO法人大分宇宙科学協会による観察会。雨は同9時半ごろに上がり、大分市森の石田玉江さん(55)は「太陽が見え隠れしながらも欠ける姿が分かった」。雲間から太陽が見えるたびに「見えた」「欠けてる!」と子どもたちの歓声が上がった。
食が最大となった同11時前、普段の昼間よりも薄暗くなった。杵築市の杵築高校は夏期補習の休憩時間を延長、生徒が渡り廊下に集まった。「感動した。三日月みたいな形が見えた」と2年の竹本健吾君(16)。
中津市耶馬渓町の山移小学校でも児童14人が「あっ、欠けた」「バナナみたい」。6年の中島碧海(みなみ)さん(11)は「日食を見ることができてうれしい」と声を弾ませた。
県内での次回の部分日食は10年1月15日。国内での皆既日食は35年9月2日で、北陸―関東地方で観測できる。
騒いだのは人間だけ
奥別府のアフリカンサファリでは、動物たちの様子を社員らが観察したが、特に変化は認められなかった。「もし変化があれば資料映像として保存したかったが、日食で騒いだのは人間だけでした」と神田岳委(いわい)獣医師(40)。高崎山(大分市)も、サルたちに変わった様子は見られなかったという。
ライトの必要なし
大分市内では食が最大になっても夜間のように暗くならず、全国高校野球選手権大分大会が開かれている新大分球場と、県中学校総合体育大会開会式があった市営陸上競技場は、照明はつけなかった。
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