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不況…存在感増す社会保険労務士

[2009年07月14日 14:54]

厳しい経営環境の中、社会保険労務士に助成金の申請などを相談する企業が増え、その仕事に注目が集まっている。写真は相談に乗る社労士の二村織江さん

 昨年秋から続く不況で、労務管理の専門家である社会保険労務士(社労士)が存在感を増している。厳しい経営環境の中、雇用を維持するため助成金申請の代行を依頼したり、解雇など労使間トラブルに関する相談を持ち掛ける事業主が増えている。労働問題への関心の高まりから、資格そのものへの注目も集まっているようだ。

相談件数が増加
 「雇用情勢の悪化で、企業、労働者双方からの相談件数が増えています」。大分県社会保険労務士会の後藤亨事務局長は現状をこう説明する。雇用維持のために賃金や休業手当などの一部を助成する雇用調整助成金に関する問い合わせも多いという。臼杵市に本社がある企業の総務担当者は「就業規則の見直しや労務管理に関する複雑な事例が起きた際にアドバイスをもらっている。各部署の管理監督者を対象に労務管理に関する講習をしてもらうこともある」という。
 社労士は2007年6月に年金記録の記載漏れ問題が発覚した際、手続きに関する相談が急増し注目された。無料労働相談といった活動も展開しているが、「実際にどんな業務なのか知らない」という声もある。
 大分市の社労士、緒方幸治さん(35)は「労使間の問題でどこに相談していいか分からずに悩む経営者は多い。効果的なPR方法を考え、経営のバックアップと働く環境の改善に全力で取り組みたい」と話す。
 県社労士会の会員は214人(4月1日現在)。仕事をしながら受験勉強をする20代、30代や企業の人事労務担当者など全国的に受験者が増加傾向にある。今年8月にある試験には、全国で過去最多の約6万7500人が申し込んでいる。
 
労働環境を改善
 大分市の篠原丈司さん(41)は県外の百貨店などに勤めていたが、「人の役に立つ仕事がしたい」と一念発起。38歳の時に合格し、帰郷して今年1月に市内で開業した。「ちょっとした助言で労働環境が改善することがあり、企業や労働者の役に立っていると実感できる。若手社労士が活躍できる場が広がるよう貢献していきたい」と意気込む。
 二村織江さん(38)は臼杵市に開業して約1年半。「職場環境を整え、人材を最大限に生かすという観点から、大分の企業の発展を支えていきたい」と話している。
 政府や自治体は雇用対策に力を入れているが、雇用情勢はなかなか好転しない。多くの労働者が不安を抱える中、専門知識を生かした社労士の一層の活躍が期待されている。
 (政治部・宇都宮祥恵)

 <ポイント>
 社会保険労務士試験 社会保険労務士法に基づき毎年8月下旬に全国で行われている。昨年の受験者は4万7568人で、合格率は7・5%。合格者は30代が43・1%で最も多かった。試験は労働基準法や労働安全衛生法、雇用保険法、労務管理に関する一般常識などから、選択式や択一式で出題される。労働法制全般の勉強が必要で、数年かけて準備する人も多い。

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