
「夢は全国障害者スポーツ大会に出ること」と笑顔を見せる安達君
別府市の南石垣養護学校高等部3年の安達貴史君(17)は、アーチェリーに励んでいる。集中力や風を読む判断力が求められるスポーツで、安達君のように知的ハンディのある競技者は少ないという。「的の真ん中に当てるのが楽しい。いつかは全国障害者スポーツ大会に出場したい」と夢を膨らませている。
鶴見台中時代は野球部に所属。生まれつき運動能力が低いため、試合に出ることはなかったが、ほとんど休まずにボールやバットを磨き、試合の応援を続けた。ランニングやウエートトレーニングに励み、休みがちだった小学校時代に比べると、見違えるほどの体力を付けた。
特別支援学級にいた安達君にとって、野球部の仲間と過ごした日々は掛け替えのないものとなった。3年生になって部活動が終わると、落ち込む様子も見られたという。
アーチェリーとの出合いはその年の秋。進学予定の特別支援学校では部活動がほとんどないため、「生きていると実感できる楽しみを見つけてほしい」と、両親が市アーチェリー協会の初心者教室に申し込んだのがきっかけだった。
二つの動作を同時に行うことが難しいため、当初は試練の連続。弓をつがえることもままならず、制限時間内に矢を放つことができない。的に当たるようになるまで1年以上かかった。本人の努力や周囲の励ましで、今では大会で得点を重ねることが喜びとなった。
父・次郎さん(52)と母・一恵さん(49)は「失敗しても楽しいという気持ちが伝わってくる。練習や大会を通して出会った人々とのつながりを大切にしてほしい」と願う。同協会の蒲池正宏会長(66)は「地道に努力を重ねる姿は周囲のお手本にもなっている」とエールを送っている。
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