
実態調査にあたった県立看護科学大学の影山隆之教授
「ストレスがある時に酒を飲む」「悩みやストレスを人に相談するのは恥ずかしい」―。県内で自殺率が高い地域と、低い地域の住民を対象に県が実態調査を行った。その結果から、自殺率が高い地域ではストレスから酒にはしったり、自殺(防止)に対する住民の知識が不足している―などの傾向が浮き彫りになった。県内の自殺者数は1998年以降、毎年300人前後で推移しており、自殺防止に向けた取り組みが求められている。
県内の昨年の自殺者は277人。男性が202人を占め、年代別では50代、30代、70代―の順に多い。
県の調査は昨年11月に自殺率が低い2地域と、高い2地域で40~74歳の住民に実施。4487人から回答(回答率80%)を得た。
【酒】「ストレスがあるときに酒を飲む」と答えたのは自殺率が低い2地域が13%と13・2%だったのに対し、高い地域は14・7%、16・5%と上回った。また、男女別では、女性5・3%に対して男性25・4%と大きな差があった。
【相談】「悩みやストレスを人に相談するのは恥ずかしい」と感じる人も自殺率が高い2地域の方が、低い2地域に比べて約4ポイント高かった。
【意識】自殺(防止)に対する考え方は、自殺率が高い地域では「生死は最終的に本人に任せるべき」など責任を回避したり、自己弁護的な回答が目立った。一方、「責任を取って自殺することは仕方ない」「自殺は弱い人間がすること」という意識は、いずれの地域も高齢者の間で強かった。
【タブー】国が昨年3月に同様の設問で実施した全国調査では、未回答者が1割程度だったが、県調査では約3割あり、「自殺を語るのはタブー」という意識の強さがうかがわれる。
調査にあたった県立看護科学大学の影山隆之教授(精神看護学)は「男性の方が自殺者に冷たく、厳しい見方をしているようだ」と指摘。その上で「悩みを相談できる地域のセーフティーネットの構築などが必要」と話している。
大分県の自殺防止対策
2007年度に学識、医療関係者らが集まり、自殺対策連絡協議会を設置。市町村での自殺防止に向けたネットワーク構築などに向け、担当者会議を開く。佐伯市、豊後大野市、玖珠郡では、かかりつけ医(内科医)を対象にうつ病治療研修などのモデル事業を実施。悩みがある人には、大分いのちの電話(TEL097・536・4343)など、豊の国こころの“ホッ”とラインの利用を呼び掛けている。
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