
10年のブランクを経て看護師に復帰し、医師を手伝う玉山清美さん(右)=大分市の県立病院
大分県は慢性的な看護師不足を緩和するため、出産や子育て、介護などで職場を離れている看護師や助産師といった「潜在看護職員」の掘り起こしに力を入れている。日々進歩する医療に対して不安を覚える人も多く、1日研修や出張相談会を通じて、県内全域で復帰を後押ししていく。
昨年末に県が行った「看護職員の確保と定着に関する実態調査」によると、県内で880人の看護職員が不足している。潜在看護職員は県内に約5500人いると推定。少子化も影響し、若い看護職員を長期的に確保していくのは困難とみており、潜在看護職員の職場復帰への支援を充実させる方針。
県はこれまで、県看護協会に委託して就業のあっせんや、長期離職者を対象に7日間の看護力再開発講習会を大分市で開いてきた。県立病院で10年のブランクを経て昨年11月から職場復帰した看護師の玉山清美さん(37)は「戻っていきなり『仕事をしてください』と言われても、医療の進歩に追い付けない。現状を丁寧に説明、指導してもらい不安を解消できた」と訴える。
こうした現場の意見を踏まえ、本年度は「カムバックナース支援モデル事業」として県内5地区の病院で1日研修を実施。潜在看護職員に最新の医療に触れてもらいながら、現場の感覚を取り戻してもらう。出張就職相談会も県内各地で開催する。
県看護協会の古賀和枝会長は「医療サービスに対する患者のニーズが高まっている。業務量が増える中、地域ごとに現場教育ができることが望ましい」と、潜在看護職員の掘り起こしに期待を寄せている。
復帰を希望する看護職員にとって、家庭との両立も課題。県医務課は「病院ごとに多様な働き方を実現する仕組みづくりを取り入れるよう呼び掛けていきたい」としている。
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